トップをねらえ!

 「新世紀エヴァンゲリオン」はなぜかTVでリアルタイムで見てた。・・・最終回あたりは後で見ただけど。しかし、同じくガイナックス&庵野監督のアニメはその当時はまだ「名前を聞いたことがある」程度。「エヴァ」を見た後にビデオ屋でレンタルしてきたんだけど・・・「エヴァより面白いじゃん!」。

 落ちこぼれだった主人公のノリコが、厳しい訓練にあいながらも根性と努力で成長していくっていう王道的な展開で、題名が「トップガン」と「エースを狙え」からきていることからも分かるように、ロボットアニメに青春パイロットドラマとスポ根がそのまんま持ち込まれた感じ(ロボットに乗って腕立て伏せ、腹筋をし、ランニングもする。宇宙でのトレーニングは「月を一周してこい」)。ノリコに嫉妬して勝負を挑んでくる輩がいたり、少し成長したと思われた矢先に挫折が待ちかまえたり、もう恥ずかしくなるほど、王道、王道。

 そして挫折があった後は、主人公がそこから立ち直る、そして新たな力を手に入れる、っていうお決まりのパターンがあるんだけど、もちろん、「トップをねらえ!」でも4話になって新たなる力「ガンバスター」が登場する。同じく王道だった「機動戦士ガンダム0083」でも、コウが挫折から立ち直った後、GP01フルバーニアンが登場したね。もちろん、こういう展開は十分に予想できるものなんだけど、しかしこの「ガンバスター」の登場シーンは予想以上、予想外だった。圧倒的な力を持つ敵がわんさか攻めてきてピンチ、そして味方がどんどんやられるってところで登場して、群がる敵をバッタバッタと倒す、というありがちな展開なんだけど、その描き方が実にうまい。重厚でかっちょえー音楽をバックに戦艦から静かに登場する。しかもえらそうに腕を組みながら煙の中から登場するのも、理屈抜きに「こいつは強そうだ」と感じさせてくれる。戦艦との対比でデカさが強調されたガンバスターが、ダイナミックな映像にのって敵をなぎ倒していく。

 5話以降は敵の宇宙怪獣との壮大な宇宙戦争が中心となり、ウラシマ効果などのSF的な設定がストーリーに絡んだり、激しい戦いが繰り広げられ、やっと終わりを迎えるのだけど、その時のラストシーンも最高にいい。「気持ち悪い・・・」で終わったり「おめでとう、おめでとう、ありがとう」で訳も分からんまま終わった「エヴァンゲリオン」とは月とスッポン。・・・おそらく、僕が「エヴァ」より「トップをねらえ!」が好きな理由はやはりそこになってしまうのかな。でも、やはりラストシーンで感動できるものが「いい」ものだと思う。


管理者:中霧里五
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