■■■つちのこ捜索隊■■■ 《それいけ!青年団 その22》 連日の対策会議は困難を極めた。 山岳知識に長けた人材を求めるも 未だ採用には至っていない。 やはり、我々の情熱を三度跳ね返した 山は、その道の専門家にとっても 難攻不落であるようだ 団員の1人であるE君は、 「やはり時代は科学なのです。 我々も科学力を導入するのです」 と、しきりに最新機器導入を 震源している。 決断の時なのだろうか・・・。 未知なる生命体発見にかける 情熱ならば誰にも負けないという 自信はあるが、熱意だけで捕らえ られるほど甘くはないという事 なのか・・・。 つづく |
■■■つちのこ捜索隊■■■ 《それいけ!青年団 その23》 隣県の大学山岳部からの返事が 来た。結果はやはり協力不可。 「上遠羽などという山は自分達の 活動範囲外である」とのこと。 長期の休みには海外の山に挑む こともあるという集団をもって してもこの返答とは・・・。 やはりあの山は見かけ通りの 穏やかな山ではないらしい。 ハイキングコースには子供から お年寄りまでが気軽に登山を 楽しんでいる姿を見かけると いうのに、そこから一歩でも それた途端、まったく別の顔を 見せる。 さすが未知なる生物の帝王、 ツチノコを抱く山である。 そして私は決意した。 最早、科学の力を無視する わけにはいかないと・・・。 つづく |
■■■つちのこ捜索隊■■■ 《それいけ!青年団 その24》 先日、導入を決意した最新機器を E団員が調達してきた。 「これは防水も完璧な最新型 なのです」とのことだ。 そして我々はその性能の驚愕 した。 これほど小さな、手のひらに おさまるほどの物で、もう道に 迷う事はないのだ。 あの、困難を極めた三度の 行軍が悪い夢のようだ。 4度目の捜索はもう間近だ。 それまでにこの最新機器の 使用方法を捜索隊全員が熟知 する必要がある。 まずは「Nと書いてある方が北」 であるという基本から徹底して いこうと思う。 つづく |