アルベロ(このアインスト……ただの雑魚か? それとも、ミタールが予測した通りの……)
フォリア「親父や他の連中の手前もあるんでな。下手を打つわけにはいかねえ!」
ヒューゴ(こいつら……ダメージを負っている。だが、あの連中と戦った割には……)
アルベロ(ミタールめ、本気でこんな代物を……!?)
ヒューゴ「指揮官クラスのアインスト……大きさもパワーも桁違いか!」
フォリア(グルンガストクラスの特機があれば、俺一人でもこいつを……!)
連邦軍兵「くっ! 奴め、まるで猿のような……!」
連合軍兵「動きが読めん! パターンで対応できんぞ!」
ドナ(TC-OSに頼りきっているようでは、私の息子を捉えられないわ)(さあ、トニー……思うがままに暴れなさい)(そして、あなたとウェンディゴの有用性を示すのよ)
カイ「気が引けるな、他人の子供を叱りつけるのは……!」
カイ「脳直のインターフェイスなら反応も早いが、裏目にも出る……!」「抑圧処理を施されていても、不意を突けば隙が生まれるはずだ!」
アルベロ(輸送機が襲撃されるとはな……。情報が軍外部に漏れているのか?)(だとしたら、誰の仕業だ?)
カイ「モーション・データのトランスプラントは完璧……反応も上々」「オルレアンの連中は、いい仕事をしてくれた!」
ヒューゴ「実戦で慣らしをはる羽目になるとはな……!」「だが、自分で言い出したことだ。やってみせる!」
ラミア(ノイエDC、か。シャドウミラー隊は消えたというのに、こいつらはまだ消えん)(……いや、シャドウミラーはまだ私がいる。これも……因果か)
ロア「コウタ、クリスタルに意識を集中させるんだ」「お前の意志と俺の力が一つとなった時……炎の力が呼び覚まされる」
コウタ「よし! やってやるぜ!!」
カイ「ここにはラトゥーニやジャーダ達がいる……! 戦闘を長引かせるわけにはいかん!」
コウタ「どこのどいつだか知らねえが、今日は大事なほおずき市だ!」「四万六千日分のお参りを邪魔する奴は、俺が相手になってやる!」
ラミア「この動き、無人機か? ……だが、モーションパターンはこれまでのデータにはない」「これを送り込んだのは未知の組織ということか……?」
???(あの巨大な機神はこの街を守るために戦っているのか……)(わからん……。そのような理由が戦う意味になるというのか……)
???「『彼の者』の使いの小娘め、そこで半端者と共に見ているがいい!」「貴様らが何者であろうと我ら修羅を……このたぎる覇気を御せると思うなよ!!」
ムラタ「相手が女子供でも容赦はせん! 死して肉塊となれば、皆同じだからな!」
カーラ「この悪趣味オヤジ! 人殺しを楽しむような奴は、許さないよっ!!」
ムラタ「ゼンガー……貴様と刃を交えるのを待ち望んでいたぞ!」
ゼンガー「己の快楽のために剣を振るうとは! 師匠の教えを忘れたか!」
ムラタ「所詮、俺は人機斬り! 貴様やリシュウのような大儀や題目など不要!」「ただひたすらに修羅の道を往くだけよ!!」
ユウキ「自らの快楽のため、戦争に荷担するとは!」
ムラタ「間違えるなよ、小僧。戦争ではない……戦(いくさ)だ」
ユウキ「何……!?」
ムラタ「軍の勝ち負けなど関係ない。俺は戦場にて己の剣を極める……」「眼前に立つ者を、全て切り捨てることによってな!」
ムラタ「フン、こやつが例のターゲットだな」
ラウル「お前……エクサランスを狙ってきたのか!?」
ムラタ「それに答える必要はない!」
レーツェル(奴の狙いは何だ? このクロガネか、それとも……)
アヤ「あの新型機の奪取のためにこれだけの数の部隊が動くなんて……」「たった1機の機体にそれだけの価値があるというの……!?」
イルム「なかなかの物だな、あの新型。あれが大量に量産されたら、軍需産業のシェアも大きく動くだろう」「リンやイスルギにとっちゃ、インスペクターやシャドウミラー以上の脅威かもな」
ヴィレッタ「ノイエDCの残党にこれほどの戦力が残されていたとはな」「バックには相応の力を持った黒幕がいるのか?」
マイ(あの新型機……人が乗っていないように思える。生体反応があるのに……)
ライ(新型が邪魔にならなければいいが……!)(だが、奴の動きは妙にパターン化されている……。まるで無人機のようだ)
リオ「私達が助けに来たのに、逆に新型機に助けられちゃ本末転倒ね!」「ここは私達が頑張って、ノイエDCの残党にハガネの力をもう一度、見せ付けてやらなきゃ!」
リュウセイ「新型を守りながら戦えなんて、隊長も無茶言ってくれるぜ!」
リョウト(あの新型機……きしゃ過ぎる。実践での耐弾性が考慮されてないみたいだ……)
ラトゥーニ「アステリオンAX……最高速度はアステリオンの120%以上……」
ツグミ「さすがね、ラトゥーニ。AXの性能を的確に分析している」
ラトゥーニ「最高速度では劣っても、迎撃は可能のはず」
アイビス「負けないよ、ラトゥーニ! あたし達だってAXの力を認めてもらわなくちゃならないんだから!」
ツグミ「気をつけて、アイビス! ラミア少尉ならガーリオンの力を120%引き出すことができるわ!」
アイビス「わかっている! だから、こっちもAXの力を引き出してみせる!」
ラミア「いい気迫だ。だが、それは同時に気負いにもなる。気をつけることだな」
アラド「あれだけデカい的なら、外しゃしねえ!」
クスハ「フィールドを上手く使わなきゃ……!」
アラド「得意の剣術も戦闘機じゃ宝の持ち腐れッスね、少尉!」
ブリット「手に刃は無くとも心にある! 闘志という俺の剣を受けてみろ!」
アラド「な……なんかカッコいい」
ゼオラ「向こうは空を飛べない……! こっちが有利のはず!」
クスハ「あの子の動きを読まなきゃ、やられちゃう……!」
ゼオラ「空中戦なら、負けません!」
ブリット「こっちも……結果を出してみせる!」
ツグミ(もし、ミロンガがスペック通りの性能を発揮したら、中のパイロットは……)
アイビス「どうしたの、ツグミ!? ぼうっとしてるとやられちゃうよ!」
ツグミ「気をつけて、アイビス! この機体……私達が考えている以上に危険なものかも知れない!」
アラド「こいつ、マジで速い! 動きがよく見えねえ!」「ホントに消えてんじゃねえだろうな!?」
ゼオラ「さすがに高性能ね……! でも、負けてられない!」「機体の性能だけで勝敗が決まるわけじゃないんだから!」
ブリット「動きは向こうの方が格段に上……! 肉を切らせて骨を断つしかない!」
ラトゥーニ(現行機の水準を超える性能……。確かに、この機体が採用されれば戦力になる)(でも、あんな機体を扱えるパイロットは……)
ラミア(何だ? この違和感は。あまりにも無駄のない……無機質な動きだ)(違和感というよりは……共感と言った方がいいかもしれない。この機体……友人機ではない……?)
ツグミ「あり得ないわ……! こんなスピードじゃ、中のパイロットは……」
アイビス「相手がどんな手段を使っていようと負けるわけにはいかない!」「向こうが本気でこっちを潰す気だとしても、AXとプロジェクトTDは守ってみせる!」
アラド「くそっ! あいつ、どんな裏技を使ってやがんだ!?」
ゼオラ「コックピットを狙ってきてる……! これも准将の指示だと言うの!?」
ブリット「あの状態からさらにスピードアップするなんて! どうなっているんだ!?」
ラトゥーニ「さっきまでの戦闘データがまるで役に立たない……!」「あの機体のモーションパターン……リアルタイムで更新されている……!?」
ラミア「この機体速度、そして無機質な戦闘パターン……やはり人間が動かしているとは思えん」
レオナ(タスク……お願い、頑張って……!)(すぐにあなたの所へ戻るから……!)
タスク「さあ来い、ひらめ野郎! がっちり受け止めてやっからな!!」
タスク「頼むぜ、ジガン! 俺と、可愛い勝利の女神がついてんだからな!」
レオナ(タスク……!)
タスク「ひらめ一匹止められないとあっちゃ、最強の盾の名が泣くんだよ!!」
コウタ「そこをどきやがれ! 軍の新型だか何だか知らねえが、邪魔をする奴は叩き潰す!」
ロア(このロボット……俺達がショウコを追うのを明らかに妨害している……)(まさか……)
エクセレン「ハウリング・ランチャーをいきなりかわすなんて、新型ちゃん、凄いんじゃなぁい?」「でも、こっちにもプライドってのがあるんだから、今度はそうはいかないのよね!」
カイ(ラミア、ゼオラ、アラド、ラトゥーニ……死ぬんじゃないぞ)(教導隊は兵の範となるべき存在だ。どんな状況でもあきらめず、生還を第一に考えるんだぞ……!)
キョウスケ「エクセレンの攻撃……まぐれで避けられるタイミングではなかった」「どの機体も、こちらの動きを完全に把握している……!?」
ブリット「クスハ達は生きている……! 絶対に死なせはしない!」「だから、そこをどけぇぇっ!!」
ライ「そう簡単に俺の動きを読み切れると思うなよ!」
リュウセイ「雁首揃えてのお出迎えと来やがったか!」「てめえらにART-1のパワーを見せてやるぜっ!!」
アイビス「こいつの刀の振り方、リショウ先生に似ている……!」
ムラタ「小娘……この俺の剣を奴のような道場剣法と同じと思うなよ」
アイビス「それくらいわかってる! だって、あんたの剣は先生のと違って、人殺しの剣だもの!」
ムラタ「リショウ! 死合を経て、物言わぬ骸となれい!」
リショウ「ムラタよ! お主に剣を教えたのは、ワシの罪じゃ!」「お主に償いをさせることこそ、ワシの師としての最後の務めと知れい!」
カイル「フン、プロジェクトTDの機体か」
アイビス「こいつ……TDのことを知っている!?」
カイル「あの時、総帥は我々のプロジェクトを中止させ、無意味な夢物語を推した……!」「貴様にも俺と同じ悔しさを味わってもらう!」
カイル「貴様……俺達がここに現れることを知っていたのか?」
マサキ「さあ、どうだろうな」
カイル「偶然などとは言わせんぞ。どこで俺達の計画を知った?」
マサキ「てめえに語る舌はねえ! 欲しいものを何でも力ずくで手に入れられると思うなよ!」
カイル「ほざくな! 俺達は……ODEシステムはそうすることでしかこの世界に認められなかったのだ!」
カイル「貴様がムラタの師匠だったとはな……!」
リシュウ「もう奴は破門したも同然じゃ」
カイル「そうか。ならば、貴様の剣技……”学習”させてもらう!」
カイル「サイコブラスターさえ潰せば、貴様など!」
リューネ「あんた達、いったい何者なのさ!?」
カイル「DCに縁があった者とだけ答えておこう」
リューネ「何だって!?」
カイル「だが、DCなど過去の遺物! 我らのODEシステムこそが新時代の地球の守護者となるのだ!」
コウタ「てめえらのせいでショウコが!!」
???「ごめんなさい……私達が生きるために、どうしてもやらなければならなかったんです」
コウタ「うるせえ! 謝って済むことかよ!!」
ユウキ「異形の機体を使う者……。やはり、未知の敵のようだな」「少なくとも、あのオカルトなセンス、俺とは相容れん……!」
???「『門』を開くためには、あなたの『鍵』が必要なんです」
ラウル「何っ!?」
???「あの方のためにもあなたの持つ”時の歯車”……渡してもらいます」
カーラ「あんた達が何者か知らないけど、ちょっかい出すんならあたし達が相手になるよ!」
コウタ「よくも……! よくもショウコを追うのを邪魔してくれたな!」
???「悔しい? 悔しいだろうね!」
コウタ「こいつ、ふざけんな!!」
ゼンガー「今までに遭遇した敵と違う……! 新たなる侵略者か!?」
???「あんたの捕獲はあたいの仕事じゃないけど ものはついでってやつだよ!」
ラウル「捕獲だと!? まさか、お前達の狙いは……」
???「その”時の歯車”、いただくよ!!」
レーツェル「データにない機体……。これまでの組織のものとも類似性は認められんか」「新たなる脅威……それも我々とは異なる感覚を持つ敵。いったい、何者だ?」
アイビス「生体コアにされた人達にだって、それぞれの生き方があるのに! それを勝手に奪うなんて!」
カイル「彼らは人柱だ。平和を守るための尊い犠牲なのだ」
アイビス「そんなやり方で得た平和に何の意味があるのよ!」「あたしは認めない! 人の幸せや夢が、誰かに勝手に奪われるような世界なんて!」
エクセレン「気概は認めるけど……やり方がちょっと、ね。さらったラミアちゃん達は無事?」
カイル「あの女は……ODEシステムにとって福音……使わせて……もらう……!」
エクセレン「……使う、ね。あの娘を再び人形として? そんなことは許さないから……!」
カイ「守るべき市民を戦いに使うとは、本末転倒もはなはだしい!」
カイル「一握りの……軍人ではなく……多くの人間で……世界を守る……それが俺達の……」
カイ「黙れ! 俺は軍人として、そんな世界は否定する! 戦いは俺達の仕事だ!」「そして、返してもらうぞ! 守るべき対象と俺の部下達をな!」
キョウスケ「……気に入らんな」
カイル「俺のやり方が……か? 甘いな……貴様」
キョウスケ「人間を部品として使うその機械がだ。……使われているお前に興味はない」
カイル「俺が……使われているだと……!? 貴様……!」
ギリアム「一刻も早く、マスターコアの在りかを突き止めねば……!」
カイル「お前達には……無理だ……」
ギリアム「俺は諦めが悪い方でな。そう……お前以上に」「必ずユルゲン博士を止めてみせる。お前が守ろうとする世界のためにな」
ブリット「さらわれた人達は、クスハはどこにいる!?」
カイル「答える必要は……ない……。奴らは……守護者になる……」
ブリット「バルトールに乗せられてか! そんなことは絶対にさせない!!」
マイ「ラトゥーニやゼオラ達はどこにいる……!?」
カイル「知った所でどうすることも出来ん……! 無理……だ……」
マイ「それを決めるのはお前じゃない……! 友達を助けるために、私は全力で戦う!」
マサキ「てめえらの計画もこれまでだ! 観念しやがれ!」
カイル「これまで、だと?」「くくっ、これまでなものか……これからなんだよ、俺達は!」
ラーダ「人の心や想いを踏みにじり、強制的に戦う道具として仕立てる……」「そんなシステムの存在を私は許すわけにはいかない……!」
カイル「知ったような……口を……!」
ラーダ「私はあの人に託された……アラド達のことを」「だから、あなた達を止め、必ずあの子達を助け出してみせる!」
セルシア「カイル! 今のODEシステムは間違ってるわ!」
カイル「黙れ、セルシア! あと少しで我々の理想は実現される! その邪魔はさせんぞ!」
リューネ「自分を想ってくれる人の気持ちがわかんないような奴に、地球の平和が守れるもんか!」「あんたの性根、ヴァルシオーネで叩き直してやるよ!」
リュウセイ「てめえ! ラトゥーニやアラド達もODEシステムのコアにする気かよ!?」
カイル「そう……だ。地球を守るための……戦いは……本懐のはず……」
リュウセイ「戦いってのは自分の意思でやるもんだ! 誰かに強制されるもんじゃねえ!」「人間を戦争の道具にするお前達みてえな連中を、俺は絶対に許さねえ!」
リシュウ「無明と言うたな、ムラタ。修羅道の先に光明を見出せると思うてか」
ムラタ「光明などあるはずがない。剣士は所詮人斬り。目指すべきは禅でなく、修羅の境地よ」
リシュウ「それこそが剣の無明長夜。お主は欲のままに、快楽のために剣を振るっておるだけじゃ」
ムラタ「元より承知」
リシュウ「未熟な者ほど、みだりに剣を抜く」
ムラタ「何……!?」
リシュウ「抜かぬ剣こそ最強と知れ」
ムラタ「俺の目の前で剣を振りかざす貴様に言えることか!」
リシュウ「ワシもまた、無明に在る者よ。未熟者よ……」「故にお主を斬り、己を斬る。世の乱れを正し、自らの魂を鍛えるためにな……!」
スレイ「無様だな……。目的もなくさまよう私は、この人形達と変わりはない……」「だが、それでも私は飛ぶ! 私の中の誇りが翼を支える限り!」
コウタ「ここで会ったが百年目! ショウコの居場所を吐いてもらうぞ!」
フォルカ「妹を想う兄か……。肉親の情け……この世界にはそれがあるのか……」
フォルカ(機が来るまで修羅達は待機を命じられてる中、何故兄さんは俺を出撃させる……?)(俺に、この世界の戦士達の力量を確かめさせようと言うのか……?)
アリオン「さてと……獲物はよりどりみどりってところだな」「俺は自由! 俺は翼! この戦場を好きなように渡らせてもらう!」「自由戦士アリオン! この世界で伝説を作るぜ!!」(く〜っ、決まったな。こいつは)
???「ティスが見つけた『片翼の鍵』……」
コウタ「片翼の鍵? こいつ、何を言ってるんだ!?」
ロア(まさか……! まさか、奴らがショウコをさらった理由とは……?)
???「あなたから”時の歯車”をいただきます」
ラウル「”時の歯車”……!? もしかして、それは……」
???「あの力は、あの方が持つべきもの。そのために僕は戦います」
アイビス「は、速い……! 前よりスピードアップしてるよ!」
ツグミ「前回の交戦時の125%……! パターンもアレンジされているわ!」
ラーダ「カイ少佐、これは……」
カイ「アラドが操縦しているわけではなさそうだな」「ならば、まだODEシステムには……!」
ブリット「!!」
マイ「!!」
アヤ「こ、これは……!?」
ブリット「クスハの念じゃない……!」
リュウセイ「別の思念……!?」
マイ「巨大な……暗い影が見えた……! 何だ、いったい……!?」
エクセレン「あらら? ラミアちゃんにゼオラちゃん……どっちのパターンデータでもない?」
キョウスケ「こちらでも確認した。理由はわからんが……」「ゼオラ達はODEシステムに取り込まれているわけではないということになるな」
アヤ「あのバルトールは、こちらの動きを読んでいる……!」「でも、相手の予測を上回りさえすれば!」
マイ「待ってて、ラトゥーニ……!」
リュウセイ「すぐにその操り人形から解放してやる!」
アラド「ラミア少尉! 落ちこぼれのおれだけど、今日は負けるわけにはいかねえ!」「絶対に少尉を助けて出してみせるっ!!」
エクセレン「待ってて、ラミアちゃん。すぐに悪い魔法使いの呪文を解いてあげるからね!」「……え〜と、王子様がリンゴをぶつければいいんだったっけ?」
カイ「しっかりしろ、ラミア! アラド達の手本となるはずのお前がそんなことでどうする!」「それに、お前はこれからの教導隊に必要な存在だ……必ず助け出してやる!」
キョウスケ「目を覚ませ、ラミア! お前は、もう人形ではないはずだ!」「忘れるな! お前の居るべき場所を……!」
ゼオラ「正面からラミア少尉と戦えば、無事では済まないかも知れない……」「でも、あきらめない……絶対に!」
クスハ「ブリット君! 私達の力で絶対にラミア少尉を助け出しましょう!」
ブリット「もちろんだ! 共に戦ってきた少尉をこんな所で失ってなるものか!」
ラトゥーニ「今度は私達がラミア少尉を助ける番……!」「危険な賭けだけど、成功させてみせる……!」
ユルゲン「何故、外敵と戦いながらもお前達はODEシステムを認めない?」
アイビス「あたしには夢がある! その夢は誰にも渡さない……渡してなるものか!」
ツグミ「個人を殺す全体……。その先に幸せは存在しないわ!」
イルム「イスルギが俺達に情報を回した理由がよくわかったぜ。確かに、あんたは厄介だ」
ユルゲン「ODEシステムは全ての欲望を超えて存在する。それの前には企業も派閥も意味を失う」
ラーダ「でも、人としての尊厳を捨てれば、そこにあるのは緩やかな死だけです」
イルム「俺も人類もまだ枯れちまうには早過ぎるんでな……」「あんたの理想、そのシステムごと潰させてもらうぜ!」
キョウスケ「………」
ユルゲン「同胞を失った悲しみには耐えられまい……お前もかつてのユルゲンと同じく、弱き存在なのだ」
キョウスケ「………」
エクセレン「キョウスケ、後悔はあとにして」「他の人達をあの子みたいな目に遭わせないために……ユルゲンは必ず倒す。今は……」
キョウスケ「……わかっている。絶対に負けん。こいつには……!」
カイ「ODEシステムがどれだけの力を持とうと、鍛え抜かれた兵士の動きはそれを上回る!」
ユルゲン「だが、軍人の数には限りがある……守れる対象も限られている」
カイ「多くの人間を犠牲にした男に言えることか!」
ユルゲン「犠牲を生み出さぬ戦いなど……ない」
カイ「承知している……! だが、俺はそれを最小限に抑える努力をする!」
ユルゲン「しかし、お前達はコアナンバー521を失った……」「悲しかろう……悔しかろう……」
カイ「確かにその通りだ……だが、俺は!」「それに負けん! 屈せん! ラミアが生きた証を残すためにも!」「特殊戦技教導隊隊長として、貴様の存在を減殺するッ!!」
カチーナ「てめえなんぞに融合されてたまるか! あたしは、あたしだ!!」「てめえの理想なんざ、知ったこっちゃねえんだよ!!」
ユルゲン「人類は何度も大きな戦いを経験しながら、何も変わらなかった。だから、私は行動を起こした」
ラッセル「あなたは急ぎ過ぎです! こんなやり方では平和どころか人類を不幸にするだけです!」
カチーナ「だから、あたしらがブレーキをかけてやるぜ! 思いっきりな!!」
ギリアム「ユルゲン博士……いや、ODEシステムよ。お前達の方法で人は進化できん」「必ず袋小路へ陥ることになる」
ユルゲン「まるで未来を見てきたかのように言う……」
ギリアム「優れた力を持つ者が、必ず生き残れるとは限らん。もっとも、これは我らにも言えることだが」
ユルゲン「ならば、お前達の結末は決まっている……」
ギリアム「はたして、そうかな? 我々は規格外の存在なのだろう……?」「この戦いの結果は、お前達の想定外のものになるぞ」
ユルゲン「お前こそ、まさに規格外の存在……」
コウタ「てやんでえ! こちとら難しい話はわからねえがな……」「大江戸システムを放っておいちゃいけねえってことぐらい承知してるんでえ!!」
ロア「コウタ、オー・ディー・イー・システムだ」
コウタ「るせえ! この際、何でもいいんだよ!!」「これ以上、奴の好きにはさせねえ! OEDシステム、必ず止めてやるぜ!」
ロア(ODEなのだが……ここは黙っておくとしよう)
ゼオラ「ラミア少尉のおかげで私達はODEシステムへ取り込まれずに済んだ……!」「あの人に助けられた命……それを使って、あなたを倒す!」
ユルゲン「この個体を破壊しても意味はない……システムを止めることは出来ない」
アラド「止めてやるさ、必ず! そして、ラミア少尉の仇を討つ!!」
ゼンガー「道を誤ったな、ヴィルヘルム・V・ユルゲン!」
ユルゲン「その荒ぶる意思……ODEシステムには不要なものだ」「そして、逸脱した力は秩序を乱す大きな要因となる……」
ゼンガー「もはや問答無用! 我が剣にて、引導を渡してくれるッ!!」
ユルゲン「人類の意志と叡智の統一を拒む愚者よ……消え失せるがいい」
テツヤ「人々を外敵から守るために命を懸けて戦うことのどこが愚かだと言うのだ!」「この艦と地球の未来……それを託して散っていった人達を侮辱することは許さん!」
ブリット「ユルゲン博士! お前達がどんな理想を掲げようと俺は絶対に認めない!」
ユルゲン「全ては地球を守るためだ。少数の犠牲はやむを得ない」「守るべきものを守るための戦いに、犠牲は付き物なのだ」
クスハ「そうかも知れない……そうかも知れないけど……!」「最初から割り切って、多くの人達を不幸にするなんて!」
ユルゲン「その怒り……そして同胞を失った悲しみも取り込もう……我らの中に」
ブリット「ラミア少尉はそれを拒絶した! 一人の人間として!」「俺達も同じだ! ODEシステムの呪縛を断ち切ってやるッ!!」
マサキ「ユルゲン! 今のODEシステムがてめえの本望だってのか!?」
ユルゲン「そうだ。私は自分の中の弱さを克服し、新たな段階に達した」「そして、さらなる進化を遂げる。地球に未来をもたらすために」
リューネ「自分勝手な都合で他人を不幸にする奴が何を!」「あんたみたいな奴に地球の未来をどうのこうの言わせはしないよ!」
マサキ「ろくでもねえ機械に頼らなきゃ弱さを克服できねえ奴が……」「俺達に敵うと思うんじゃねえッ!!」
ユウキ「ヴィルヘルム・V・ユルゲン、ODEシステム、そしてヴァルシオン改。……DCの負の遺産というわけか」
ユルゲン「負ではない……未来へ受け継がれる遺産だ」
カーラ「冗談じゃないよ! ユウとならともかくさ、あんたなんかと一緒になるのはゴメンだからね!」
ユウキ「そう、こちらにも選択権はある」
カーラ「え!? それって、あたしとのことも!?」
ユウキ「そんな話をしている場合か」
カーラ「ううん、重要だから!」
ユウキ「いいから、戦闘に集中しろ。ラミア少尉の無念を晴らすためにもな」
カーラ「わかってるよ! こう見えても、頭にきてるんだから!」
ラウル「技術は使い方を間違えれば、とんでもない結果を招く……!」
ユルゲン「私は間違いなど犯していない」
ラウル「だけど、バルトールは多くの人達を不幸にしたじゃないか!」
ユルゲン「価値観の違いだ」
ラウル「そんな言葉でラミアさん達のことが済まされるか!」「俺はあんたを否定する! その考えも、ODEシステムの存在も!」
ラトゥーニ「あなたは人間を戦いの道具にしようとしている……」
ユルゲン「違う。守る側と守られる側の人間を一つにするのだ」「そうすれば、大切な存在を失う悲しみにも耐えられる」「今のお前のような心の痛みを感じずに済む」「そして、コアナンバー521の存在すら忘れられる……」
ラトゥーニ「忘れたくない……ラミア少尉のことを。そして……」「オウカ姉様達のことを……。忘れてしまったら、あの人達が生きていた証が消えてしまう」「それは絶対に嫌……! だから、私はあなたを止める……!」
リシシュウ「人は己に克つを以て成る。じゃが、お前はその方法を違えてしまったようじゃの」
ユルゲン「ユルゲンはシステムと融合することによって己の弱さを克服した……」「それは間違いではない」
リシュウ「ふん……他人を利用し、己に克って何になる?」「お主はもう負けておる。己自身にな……!」
リュウセイ「ユルゲン! てめえのシステムは、地球圏の守護者にはなれねえ!」
ユルゲン「人類の意志と叡智が一つになれば、真の平和が訪れる。何故、それが理解できない?」
ライ「理解していないは、貴様の方だ。バルトールに捕らえられた人々が、それを望んでいたと思うのか?」「拉致された者達が、納得してODEシステムへ取り込まれたと思っているのか?」
ユルゲン「今となっては、それを問うことは出来ん。彼らの意思は統合されたのだから」
マイ「統合じゃない……! お前は人の心を殺したんだ!」
アヤ「そんな行為の上に成り立つ平和なんて……何の意味もないわ!」
ユルゲン「犠牲なき平和などあり得ない。人身御供は必要不可欠だ」
リュウセイ「ふざけんな! てめえは、全ての人間を人身御供にしようってんだろうが!!」
ユルゲン「全てではない……”規格外の存在”は排除する」
ヴィレッタ「私達のような存在を御せないODEシステムはいずれ……」「いえ、すぐに限界を迎えることになる!」
リュウセイ「そうだ! てめえらには取り込めねえ俺達の意思によってな!!」
リョウト「ODEシステムがこのまま人の意思を呑み込み続ければ、いずれは……!」
ユルゲン「我らは進化する。意思の集合体……地球圏の守護者として」
リョウト「そんなものは進化じゃない! それに犠牲を前提にしたやり方なんて間違ってる!」
リオ「あなたは守護者なんかじゃないわ! 人を破滅させる悪よっ!!」
レーツェル「DC戦争中、シラカワ戦争が言っていた……」「お前が良心を捨て去らない限り、ODEシステムはその矛盾点を克服することは出来ないと」
ユルゲン「………」
レーツェル「確かに、良心は捨て去ったようだ。人間を単なる部品……いや、それ以下として扱っているのだからな」
ユルゲン「もはや呵責はない……」
レーツェル「だろうな……! それ故に今のODEシステムを認めるわけにはいかんのだ!」
レオナ「ユルゲン博士……いえ、ODEシステム……個人を無視した全体など無意味なものでしかないわ」
ユルゲン「言ったはずだ……我らは個であり、全であると」
タスク「冗談じゃねえ! あんたみたいなオッサンと一緒になるのは御免だぜ!」
ユルゲン「その感情もろとも、我らと同化するがいい」
レオナ「不可能よ、それは。あなたはここで消えることになるのだから」
タスク「そうだ! あの世に行って、ラミアさんに死ぬほど詫びを入れてきやがれ!!」