火焔聖母

  コンピュータネットワークによって高度に管理されているハイテク都市「いざなみ市」を舞台にしたアドベンチャー。ハイテク都市が舞台ではあるものの、超常現象、 オカルト、宗教(民間伝承、神道、キリスト教)等の要素が色濃い。主人公の蘭堂研人はいざなみ市の高校に転校する為、いざなみ市に入った途端に人体発火事件に遭遇する。その後も旧勢力と新勢力のいざこざに巻き込まれたり、いざなみ市で起きた怪事件を調査しながら、いざなみ市の謎を解き明かしていく。

 

舞台となる「いざなみ市」の設定が面白かった。東北地方の古い因習の残る地にハイテク実験都市が建設された、という歴史上の事情で、元から存在した伝統溢れる旧市街、後から建設され整備された新市街、の2つがあるのだけど、この2つの対比が面白かった。価値観、立場の違いから旧市街に住む人(旧市民)と新市街に住む人(新市民)との間で対立に関する描写が多い。また、主人公の蘭堂研人は高校生で、ヒロインその他メインキャラの大半は高校生なのだけど、研人の同級生は新市民側の重要人物の子供、旧市民側の重要人物の子供、「新市民と旧市民」の対立に心を痛めている委員長など旧市民VS新市民の構図を彩るのにふさわしいキャラが多い。
「いざなみ市」はコンピュータネットワークによって管理されているのだけど、そのあたりを印象づけるエピソードが多い。サーバにアクセスして情報を集めたり、施設を利用したり出入りするのにICカードが必要だったり。主人公の蘭堂研人が推理する場面でも、場合によっては情報を閲覧する為のアクセス権限、施設利用のログといったものを材料にして推理することがある。
Xボタンでメッセージスキップできる。
スタート場面からプレイ時点までのストーリーが日記という形でそこそこ詳細にまとめられていて、自由に見ることができる。

ストーリーは全部で8章に分かれていて、1つ1つの章である程度の区切りが付いている。2章はヒロイン・華竜院巴とのエピソード、3章はヒロイン北川真奈瀬とのエピソード、4章はヒロイン・秋村湖希とのエピソード、5章はヒロイン・三香野京子とのエピソード、6章はいずれかのヒロインとのデート・・・という具合にまとまっている。

フルボイス(主人公の蘭堂研人の声は除く)。メインキャラのセリフはもちろんのこと、学校内や市内で会った名前のないキャラの他愛のない一言すらもボイスあり。
   
× ラストあたりの展開で科学用語(高周波、低周波、マイクロ波、電離層、共振作用、プラズマ等)が頻発して、「全ての謎を解き明かされる場面」が個人的にはよくわからんかった。その為、最後あたりの展開が個人的には今一つ盛り上がりに欠けた。
× 一部の場所は3Dダンジョンみたいになっていて、その中を歩き回って情報を収集したり謎を解いたりする。研究所や遺跡のようなゲーム中1回か2回しか行かないような場所は3D視点でいいと思うけど、学校のようなゲーム中よく行動するところは3D視点にしない方がよかったと思う。学校の中で情報を集める、ということがよくあるのだけど、そのたんびに3D視点で学校の中を歩き回るのはかなり面倒だった。
× メッセージスキップはあるのだけど、少し前のメッセージを参照することができればもっと良かったと思う。よく読まないうちにメッセージをスキップしてしまったことも多いので。
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パッケージの裏には「推理アドベンチャー」と書いてあるけど、正直言って「推理」という色は薄かったと思う。プレイヤーが推理するわけではなく、「推理」コマンドを選択することによって研人がそれまで得た情報に基づいて推理していく。時間制限のあるイベントが時々発生するけど、コマンド総当たりで解けてしまう。


管理者:中霧里五
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