ファイアーエムブレム・封印の剣

内容

 ファイアーエムブレムシリーズ。システムは「聖戦の系譜」タイプではなく「紋章の謎」タイプのファイアーエムブレムのオーソドックスタイプ。歴戦のファイアーエムブレム信者も投げ出す程の難易度の高さだった「トラキア776」より難易度は低いだろうけど、それでも難易度は高い。そのせいか続編の「烈火の剣」はチュートリアルが豊富になり、難易度も下がった模様。

感想 (○×型)

携帯ゲーム機発売であるものの、ボリュームは小さくない。クリアまでのステージ数は22面だけど、分岐により2パターンあるのが7面、隠しステージが10面、クリア後に挑戦可能なトライアルマップが5面ある。
特定の特定のキャラ同士の友好度が高まると、ステージ中に「支援」コマンドを使用でき、そのキャラ同士で会話が行われる。「聖戦の系譜」でも似たようなシステムはあったけど「封印の剣」の方が会話のバリエーション、回数、内容が豊富。ファイアーエムブレムは「キャラのHPがゼロ=死亡、それ以降のシナリオに登場しない」システムなので、ロイ、マリナス、ギネヴィア、エルフィン以外は仲間になる時にセリフがあるだけで、シナリオ中にセリフがほとんどなく、キャラの個性が薄まることが多い。しかし「封印の剣」はこの「支援」の時の会話があるので、これまでよりも登場人物の個性が出ている。「支援」の時の会話で登場人物の過去が明らかになることが多く、デュークが少年の時にいた所、イグレーヌの夫、エルフィンを西方までは運んだ人物、いずれも「支援」の時の会話で明らかになる。
ステージ開始前の戦闘準備画面でアイテムの交換、売却、の他、出撃メンバーの初期配置場所の変更ができて便利。
「トラキア776」と同じく、ユニットを運搬できる「救出」コマンドが存在。これにより「行動済だけど瀕死状態のキャラ」を救出して攻撃されないようにしたり、「移動力のないユニット」を移動力のあるユニットで救出して目的地に速く移動させたり、「ボスの前にいる行動済のキャラ」を救出してどかして他のキャラでボスに攻撃できるようにしたり、攻略の幅が広がっている。
「烈火の剣」ほど丁寧ではないけど、チュートリアルが存在し、おおまかなことを説明してくれる。
「封印の剣」をプレイ中に電源が切れても、電源が切れた場所から再開できる。つまり「中断」を選ばなくても自動的にセーブされている。携帯ゲーム機向けの便利な仕様になっている。ただしキャラが死んでも自動的にセーブされ、再開しても「同じ結果になってキャラが死亡する」仕様になっているのは、ファイアーエムブレムらしい仕様ではあるものの、良く言えば「ズルを許さない」、悪く言えば「意地悪」。

× あいかわらず難易度が高い。それに加えて個人的にかなりムカついたのが「ターンを終えて終了したら、敵ターンにいきなり敵の援軍登場、近くにいた味方ユニットがその援軍に攻撃されて死亡・・・」というパターンが多かったこと。
× 今までのシリーズと同様、「死んだら生き返らない」「ステージ途中で永続的なセーブはできない(一時中断はできる)」。これがないとファイアーエムブレムじゃない、という気はするものの、正直、昔ほとヒマな身分ではないので辛い。「紋章の謎」では死んだキャラを生き返らせる「オームの杖」が(5回しか使えないけど)存在したし、「ディアリングサーガ」ではステージ中にセーブできる「きおくの杖」が存在したけど、「封印の剣」ではそのような救済措置は一切ない。
× レベルアップ時の能力値の上がり方がランダム。この要素はファイアーエムブレムシリーズの伝統だけど、しかしこの伝統は壊した方がいいと思う。もちろんランダムだから、一回目と二回目のプレイで差が出る、というのはあるだろうけど、それならそれで「レベルアップ時に上がる数値は固定でどの能力が上がるかはランダム」「一定レベルになっても特定の能力が水準以下なら強制的にその能力が上昇する」とかにして欲しい。レベルアップしても能力が1つも上がらなかったり、「命中」や「回避」は上がっても何故か「力」が1つも上がらずザコ相手にもダメージがゼロになったりするのは困る。
× 「聖戦の系譜」では育てれば何かしら使えたし、育てて無駄になるキャラはいなかったけど、「封印の剣」は仲間になるキャラが多いせいもあって、使えるキャラと使いにくいキャラの差が「紋章の謎」ほどではないけど激しい。

支援コマンド名セリフ

ロイ(マーカスとの会話)
「でも ぼくの見えないところで活躍している者もいるんじゃないかな?」

ランス(ロイとの会話)
「無礼を承知で一言だけ
 その けんきょな お心 持ちつづけてください
 その お心がある限り みなは ロイ様に ついていきますよ」

マーカス(ランスとの会話)
「ロイ様は いずれ フェレ家をつがれる方
 フェレ出身のものだけで側を固めては 近いものしか見えぬ方になる恐れがある
 そのために おぬしのような 外の世界を知るものが必要となるのだ」

リリーナ(ボールスとの会話)
「わたしが知ってるロイはね 正装してもボタンを一つかけちがえてるし
 ダンスのステップ一つ うまくふめない ちょっとボーっとした男の子だったわ
 だから わたしが 世話を やいてあげないとって・・・」

ボールス(リリーナとの会話)
「人は 器にしたがって育つもの ですが本質まで変わるわけではありません
 大丈夫です ロイどのの本質は リリーナさまの知っているままですよ」

ボールス(アストールとの会話)
「あなたは公式には 騎士団には属していないが・・・
 オスティア侯のために戦った まぎれもない騎士だ
 私はそう思っている」

ボールス(オージェとの会話)
「家族を食べさせることも 立派な目的だ
 そのために 一心に おのれをきたえるのだ
 そうすれば きっと 強くなれる」
「国を守るとか 世界を救うとか
 そんな大義名分だけが 戦いの目的である必要はないのだ」

ロット(ランスとの会話)
「・・・あんたは 自分の主君だからって ひいき目にみたりする奴じゃない
 そのあんたがそう言うなら まちがいないだろう
 なら おれも 信じることにしよう
 あんたの勝算と おれたちのリーダーを」

チャド(エレンとの会話)
「・・・オレにとってベルンは てめぇの国のことしか考えないような  血も涙もない悪党の国だったんだ!
 腹の黒い人間しか あそこにはいない!!
 ・・・はずだった
 エレンさんに会うまで」

ヒョウ(チャドとの会話)
「この戦争がおっぱじまってな もう 何人も見たんだよ 笑えなくなったガキ
 大人には大人の事情ってのがあんだけど やっぱガキは笑ってないとダメだろぉ?
 戦争とかやってるバカどもは そんな基本のとこ見えてねえみたいだけどな」

サウル(ドロシーとの会話)
「『ひどい 私を捨てるんですか』と男に泣いてすがったのです」
「男はアワをくって逃げていきました
 ふり返ると 女性もいなくなってましたが」

サウル(ヨーデルとの会話)
「いえ もちろん ヨーデルさまの目は正しいと思います
 あのロイという少年の理想は すばらしいものです
 ただ・・・
 今のロイどのには・・・ この世界は少々 みにくすぎますから
 私は 他の司祭よりは それを知っているつもりですので・・・」

シン(スーとの会話)
「私は スー様を守るために つかわされたものです
 私がスー様を残して 先に死ぬことなど有りえません」

トレック(ミレディとの会話)
「ベルン人だからって 耳が7つあったりするわけじゃなし」

カレル(ノアとの会話)
「あの頃の私は 剣にとりつかれた 魔物のようなものだったよ
 血を満たす相手を求めて あてもなくさまよっていた
 人を斬れるのなら 誰でもよかったんだ
 ・・・たとえそれが たまたま 立ち寄った村の赤子でも ね」

セシリア(リリーナとの会話)
「でも 魔道は 努力だけでは どうしようもない天の素質がいるの
 しかも それにめぐまれた人間が すぐ近くにいたら
 どういう気持ちになったでしょうね?
 同じ・・・いや それ以上の努力をしているのに
 全然かなわない相手が すぐ近くにいたとしたら」

バース(ウェンディとの会話)
「おれも おまえに 無事かなどとは聞かん
 オスティア重騎士が 敗北するはずがないからな」

フィル(バアトルとの会話)
「父上! いい加減にしてくださいっ!
 私はもう一人前の剣士です! いつまでも父上の保護はいりませんっ!」

ダヤン(シンとの会話)
「ならば 学ぶしかあるまい 他国の戦を 他国の考え方を
 我らはそれに そまらずともな」

エキドナ(ゴンザレスとの会話)
「いいかい ゴンザレス あたしは きれい事は好きじゃない
 みにくくたって 心がきれいなら・・・ なんて言う気はない
 あんたは みにくい 昔から そういじめられたんだろう」
「けどね だからって あきらめることなんかないんだ
 だったら あんたはあんた自身を じっくり見回して・・・
 ほかの奴らにはない 何かを 見つければいいんだ
 あんただけの何かをね」

ギース(キャスとの会話)
「はっはっは そんなものねえ!
 こう見えてもおれは文無し むしろ借金だらけだ
 盗めるもんなら 盗んでみろってんだ」
「おれには夢がある
 また海運業に戻って でかいヤマを当てるって夢がな
 まあ見てな すぐに船を大金で埋めてやるさ
 その時に また盗みに来な!」

ファ&エルフィン
「あのね えっとね! ファもね エルフィンに負けないくらい
 きれいになるから! おっきくなるまで 待っててね!! 約束だよ!」
「あ ファ! 待ってください
 ・・・ファが大人になる頃には 私は この世にいないと思うのですが
 フフ まあ 今はいいでしょう」

バアトル&キャス
「お前の父には 兵士たちを倒す力はなかった
 だが 戦っていたのだ 父は歯をくいしばり 戦っていたのだ
 村より畑より 真に守るべきもの・・・
 娘のお前を守るために」
「 ・・・・・・
 はっ んなわけないって
 うちの父さんはただの弱虫 バアトルさんとは違うよ
 けど・・・ま そう考えるのも 悪くないかもね・・・」

ソフィーヤ(イグレーヌとの会話)
「こんな・・・すごい武器を作ったり・・・ 私たちよりずっと進んでるのに・・・
 どうして外の人は・・・ 戦いをやめないのでしょう?」

ダグラス(イグレーヌとの会話)
「富がなくとも・・・自分たちの力を 見せつける相手が欲しいのだ
 踏みつける弱者がいなければ 己の心は満たされぬ
 西方も 彼ら心まずしき者たちに 苦しめられていたと聞く」

ニイメ(ファとの会話)
「ばかだねえ・・・ わたしは
 世界の安定だ 人々の平和だ・・・
 そのために何の罪もない子を どうにかしようなんて・・・
 そんなことで守られる平和なんぞ・・・ なんになるって言うんだい」

ヨーデル(ダヤンとの会話)
「私の使命は 神の導きのままに 人の迷いを払い 苦しみをいやすこと
 あなた方サカの心には 信じるべき大地と星々がある
 こちらの教えを押しつけることは 神もお望みではないでしょう」

管理者:中霧里五
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