関ヶ原の戦いを題材としたアドベンチャー。
主人公は西軍の大将の石田三成。次々に発生する危機を乗り越え、東軍の徳川家康を打ち破るのが目的。
「戦略パート」「合戦パート」「説得」の3つから構成されている。「合戦パート」は 前線の武将の報告を聞く → 事態を打開する指示を出す の流れで進行。パズル的な要素もある。「説得」は過去に見聞きしたことから相手に響くものを選択していく。「戦略パート」は「逆転裁判」の「探偵パート」と似ている。と言うよりも意図的に似せたようにすら思える。画面に4つのコマンドが大きく表示されたり、1度選んだ選択肢にチェックマークが付いたり。
石田三成と言えば司馬遼太郎の「関ヶ原」が有名だけど、このゲームの路線は歴史小説ではなく漫画。絵もそうだが、人物像にしても石田三成は真っ直ぐなバカ、宇喜多秀家は我が儘坊ちゃん、小西行長は商人、吉川広家はヤンキーといった具合。しかしこのゲームを真に楽しめるのは歴史好き、ぶっちゃけ戦国おたくと断言できる。
容姿や性格、言動はデフォルメされてるけど、それぞれの人物の行動理由とも言うべき部分についてはその人物の過去を踏まえたものになっている。それぞれの武将の逸話に基づいたセリフも多く、その使われ方も上手い。史実の事件や事実をなぞらえたエピソードも多い。
大谷吉継、島左近、島津義弘といった名将、猛将のイメージがある人物だけでなく、そういったイメージの薄い宇喜多秀家や小西行長も坊ちゃん、商人の属性のままでカッコいいことを言ってくれる。モブキャラの武将も多いが、その一方でどマイナーな田中吉政、島津豊久といった武将をメインキャラとして登場させている。