クロノクロス

  スーファミで発売された「クロノトリガー」の続編。「クロノトリガー」は過去や未来を移動するRPGだったけど、「クロノクロス」では2つのパラレルワールドを移動する。1つは主人公がいままでいた世界で、もう1つは主人公が10年前に死んでしまった世界。2つの世界は共通しているところも多いけど、異なった歴史で進んでいる部分も多い。

 僕はクロノトリガーが好きだけど(RPGで100点つけたのは「リンダキューブ」と「クロノトリガー」だけ)、しかし「クロノクロス」を実際にプレイしたのはかなり後。FF9はとうに発売され、プレステ2が出てFF10が発売されたというご時世にプレイしました。いろいろ理由はあるんだけど、最大の理由はFF8!!。FF8は好きな人もいれば、大嫌いな人もいるようだけど、僕は大嫌いだった。スクウェアという会社が嫌いになるくらいに。そういうわけでFF8の後に発売された「クロノクロス」を買う気にはなれなかった。グラフィックの感じからしてもスーファミの「クロノトリガー」と全然違うので、もはや別ゲームという感じがしたし。仲間が40人以上、ってのも1人1人の個性が薄くなるようで嫌だった。

 実際にプレイしてみたところ、少々不満に感じるところもあったけど、しかしFF8に比べれば数倍良かった。プレステ2が出たご時世でもそれなりに楽しめた。FF8に比べれば格段にユーザーフレンドリーだし。「クロノトリガー」とリンクしているところがある点は「いい」と思うところもあれば個人的に「ない方が良かった」と思うところも。

 

戦闘は少し複雑なところはあるものの、逆に言うと凝った部分が多い。
スクウェアのゲームは、FF5のアビリティ、FF7のマテリアのように、プレイヤーの任意でキャラクターのステータス・能力に違いを出せることが多いけど、「クロノクロス」でもエレメントという魔法のようなものをキャラクターに自由に付けられる。
イベントがこまめにあってテンポが良かった。
ダンジョン内の仕掛けや謎も適度にあって作業的になりにくかった。
序盤の展開はそれほど起伏に富んだものではなかったけど、中盤以降の展開は印象に残るイベントが多かった。特に古龍の塔、滅びの塔、マーブレ復興時、クロノポリスのイベント。
2つのパラレルワールドを行き来するという設定を生かしたイベントが面白かった。あるキャラがこちらの世界とあちらの世界で境遇や性格に大幅な違いが出てることがあるのも良かった。
「クロノトリガー」と同じく敵との戦闘を避けることができる(ランダムエンカウントでなく、敵シンボルと接触すると戦闘になる)。
パーティーに入れていない仲間が自動的にある程度成長する。
「クロノトリガー」と同じく、ゲームクリア後にクリアデータを引き継いで(クリア時の強さで)2週目のプレイ「強くてニューゲーム」ができる。「クロノトリガー」と同じく、どの時点でラスボスを倒したかによってエンディングが異なるし、ゲーム中の行動によって途中の一部分の展開が異なったり、仲間になるキャラが異なるので2回目のプレイがしやすいのは大きなメリット。
「クロノトリガー」にはなかった「強くてコンティニュー」もできる。これはクリア時の強さで、途中のセーブデータから始められるというもの。
「クロノクロス」の戦闘は少し複雑だけど、戦闘の基本に関しては序盤でラディウスが戦闘形式でレクチャーしてくれる。また、敵としてストーリー中に闘うことになるシュガールとソルトンも戦闘中に属性に関する説明を漫才調で説明してくれる。中盤になってトラップエレメントというものが使用できるようになるんだけど、その頃にまたシュガール&ソルトンと戦闘になり、トラップエレメントに関する漫才を披露してくれる。まぁ、それでも戦闘で分かりにくいところはあるけどね。
ほとんどの戦闘から逃走できる。ザコはもちろんのこと、ボス、果てはラスボス戦闘からも逃走できる。逃走した後にエレメントや装備を付け替えたりして再挑戦することが可能(ただし一部の戦闘(ワッホイタンク、炎龍など)で逃走すると「ペナルティが発生する」、「メニュー画面を開く間もなくまた戦闘になる」というケースもある)。
回復エレメントを使用できる状態で戦闘を終了した場合、戦闘後に自動的に回復エレメントが使用されてHPが回復する。その際、使用回数を消費してしまうものを除いたエレメントだけで回復することも選択できる。
オープニングがかっこよかった。ゲーム中のデモが少しずつ連続で流れる代物なんだけど、バックに流れる音楽が印象的で(クラッシックなオーケストラ調ではないのだけど、壮大なものを感じさせる音楽だった)、デモの出し方も音楽とマッチしてて良かった。
オープニングデモが終わって、タイトルが出た後、ゲーム中の場面、ゲームに出てきそうな場面が音楽に合わせて少しずつ流れるんだけど、これが「クロノトリガー」をやったことのある僕にとってはちょっとくるものがあった。「クロノトリガー」もゲーム中の名場面が連続で出てくるオープニングだったし、それに何と言っても音楽が「クロノトリガー」の名曲を大幅にアレンジしたもの(しかもそのアレンジが個人的には気に入った)。
フィールドの音楽や戦闘終了時の音楽などに「クロノトリガー」の時のBGMが使われていて懐かしかった。
45人の仲間が登場するわけだけど、まぁ全員がストーリーに絡んだり、個性があったりするわけではない。ストーリーに密接に関わるのはせいぜいキッド、ツクヨミ、コルチャ、ラディウス、イシト、ファルガ、骸骨大佐、リデル、カーシュぐらい。ただしそれらのキャラと密接な人物関係を持つため、ある程度の個性が出てるキャラもいるし、ストーリーに全然絡まないけどビジュアル的に個性的なキャラも多い。
仲間を自由に入れ替えることができるけど、その割にゲーム中に仲間が随所でセリフを喋る。セリフの内容はどのキャラでもほとんど同じで、ただ仲間によって口調、呼び方が変化するという代物なんだけど、しかしそれでも全くセリフをしゃべらないのに比べるとかなりいい。中には特定のキャラがいると特定の場面で特別なセリフを喋ることもある。
   
プレイ当初は「クロノトリガー」とリンクした感じはあまりなかったけど、中盤以降、「クロノトリガー」と密接にリンクしたところが出てきて面白かった。ただし、「クロノトリガー」のキャラそのものズバリが出てくる場面は個人的にかなり違和感があった。同じ会社の製作とは言え、やはり4年も経っているので、キャラの雰囲気もかなり違ってるし、それに○○○が喋るのはやはりマズいでしょ。逆に直接的な登場はせず、暗示的な登場をするものは、違和感を感じなかったし、むしろ効果的な登場だったと思う。
   
× エレメントの付け替えが非常に面倒。仲間を入れ替える時が結構あるのだけど(中盤の特定のイベント以降それまで仲間だったキャラが終盤になるまで仲間から外れたり、あるキャラがいないと起こらないイベントがあったりする)、そのたびに装備やエレメントを付け替えるのが非常に面倒だった。
× ラスボスの正しい倒し方とか、星の塔の入り方とか、ヒントが少ない、分かりにくいと思われる箇所があった。
× 1回のプレイで仲間は最大40人(途中離脱するキャラも含む)まで増えるけど、正直言って一度も戦闘で使用しなかった仲間がほとんど。40人中、ある程度使ったキャラは12人程度。仲間を大勢登場することのメリットというものがほとんどないような気がする。強いて言えばコレクション的な要素?。
× 45人いるにしては仲間の個性はそれなりに出てるような気がするけど、仲間を少なくした方がキャラの個性を出すためのイベントとかもっと出せたと思う。
× 戦闘シーンのアニメーションが少し長目で、それで戦闘シーンの時間が長くなってる気がした。ボスはいいけど、ザコ敵とかのアニメーションはもう少し短くした方がテンポよく戦闘が進んでいいと思う。まぁFF8の召喚シーンに比べればストレス度は格段に低いけどね。
× ストーリーに少し強引なところや分かりにくいところがあった。

管理者:中霧里五
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