このゲームはプレステ、サターンの両方で発売されていて、僕が実際にプレイしたのはプレステ版の方です。
お調子者でスケベだけど、優れた推理力を持つ18歳の探偵・黒須剣が主人公の推理アドベンチャー。レンタルビデオショップ「TUTAYA」で無料体験版を借りたのだけど見事にハマってしまい、会社の販売戦略にものの見事に引っかかって買ってしまった。
オープニングデモがピチカートファイブの軽快な曲「大都会交響楽」に乗ってスピーディーに展開されるのもゲームの雰囲気にピッタリ。
アドベンチャーとしてはオーソドックスな形だけど、話がよく練られていて、犯人を推理するまでの過程やトリックも面白い。
ゲーム中には犯人を当てる場面、犯人が使ったトリックなどを文字で入力する場面がある。しかし答えを何回か間違えると、ヒントを次々に言ってくれるので、その場面でつまって先に進めないという事態にならない。選択を間違えるとバットエンドになるということがないので安心してプレイできる。でも後半は「これはいくら何でも厳しすぎるのでは?」と思う所もあるけど(特に細かい所をクリックしていろいろと調べる場面)。
絵が地味だし、推理アドベンチャーということでお堅いイメージになりがちかもしれないけど、シリアスな展開もある一方で登場人物同士の軽妙なやり取りもあるし、主人公の黒須剣がなかなか愉快なヤツで笑わしてくれる。
「クロス探偵物語」は7話のオムニバス形式で構成されているので、1話ごとに舞台や登場人物が違ってきて面白い。また第4話はドラマCDのような感じだったり、第6話は3Dダンジョンを冒険していくような感じだったり、第7話は途中で話が分岐するマルチストーリー形式だったりしている。個人的には第三話「ゆがんだ名門校」がお気に入り。
なお「クロス探偵物語」はクリアしても多くの謎が残る。話としても全ての決着が着いたわけではない。と言うかどう見ても続編を意識した作り。でも是非とも続編を作って欲しい。