風雨来記(ふうらいき)

内容
 
主人公はルポライターで、バイクに乗って北海道を旅し、旅先であったことを記事にして撮影した写真とともにネットにアップロードするという設定。北海道東部・中央部・北部の数々の名所に行くことができ、どこに行くか、どこの場所の記事をアップロードするか、どこで写真を撮るか、は自由。旅先でヒロインと出会う&仲良くなるとそのヒロインのストーリーになる。1人のヒロインのストーリーをクリアするのに大体10時間ほどかかり、全ヒロインのストーリーをクリアするにはかなりの時間がかかる。

 

感想
北海道東部、中央部、北部が舞台となっているのだけど、ゲーム中に行くことのできる場所が全部見て回るのが難しいくらいある(約70箇所)。「自由に北海道を廻っている気になる」とまではいかないものの「制作者のお仕着せ」という感じはあまりしなかった。「風雨来記」をやって「北海道」に興味が沸く人もいるかもしれない(僕は「旅」「自然」「北海道」「美しい風景」といったものにそれほど魅力を感じないのでそういうことはなかったけど)。
片手でほとんどの操作ができる。(L1ボタン、L2ボタンが○ボタン、×ボタンと同様の機能になっている)
実写の背景の中にキャラクターが描かれている絵が多いけど、キャラクターの姿勢が実写の背景に合っているので、不自然な感じはなかった。
ヒロインの絡まない部分もしっかりしてる。同じ境遇のライダーと話をしたり、キャンプで一緒になった人と宴会になったり、地元の人に親切にされる、といったイベントがランダムに発生するし、また、どのヒロインのルートも通らずに1ヶ月取材した時も最後にはそれなりのエピソードがあった。
クリア後に「プレイ中に撮った写真、CGを見ることのできるモード」「音楽が聴けるモード」などが出る。「由美」シナリオをクリアした後だと花札を遊べるモードも出る。
   
× ヒロインが「樹」「玉恵」「冬」「由美」の4人のシナリオがあるけど、どうすれば各ヒロインのストーリーに入れるかが「冬」以外分かりにくい。例えば「樹」ルートは3日目までに摩周展望台に行かないとダメだし、「玉恵」ルートは各地で会った後に13日目に多和平に行く必要があるのだけど、それらに関する情報がゲーム中では表示されない。隠しキャラの「由美」に至っては「他のヒロインのルートに入らずに22日目に農家に行く途中の道でわき見する」ことでやっと入れる。
× ウィンドウに出たセリフを×ボタンで素早く表示させることはできるけど、「久遠の絆」「ミッシングパーツ」にあったような「ボタン押しっぱなしで高速スキップ」がない。

 

感想−シナリオ・雰囲気(ネタばれあり)
 僕はFOGの「久遠に絆」「ミッシングパーツ」をプレイしてハマったので、同じFOGのゲームの「風雨来記」をプレイした。「風雨来記」はFOGらしいゲームだとは思うのだけど、「久遠に絆」「ミッシングパーツ」と比較すると僕の好みには合わなかった。
 どのヒロインのストーリーも例外なく全て悲恋の話であり、最後は「別れ」になる、という点が個人的には嫌だった。いちおう「別れは終わりではない」「別れはもう一度出会う」というようなメッセージはあるものの、しかしスタッフロール後にエピローグとして「救い」が用意されてるわけでもない。
  ストーリーとして悪いわけではないし、無理矢理悲劇にしたわけでもない(特に「樹」と「冬」は「別れ」で終わるのが必然だと思う)。悲恋になる展開も丁寧に描かれてると思うし、キャラクターの性格付けも悪くはないと思う。
  しかし悲恋の結末の話を見て、その次のプレイでまた悲恋を見て・・・の繰り返しになるのは気分的に良くなかった。せめて1つか2つは明るく終わる結末になっていれば「悲しい別れ」の話も素直に「感動的な別れ」の話として感じられたと思うのだけど。全ての結末を「悲恋」にしたのは潔いと言えなくもないし、映画でも感動する名画は「別れ」で終わるものが多いけど、しかしそういうのばかりを続けて見ても、素直に感動できるのは1回目に見たものだけだと思う。


管理者:中霧里五
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