ティアリングサーガ

 ファイアーエムブレムとは何ら関係ないゲームのハズなんだけど、ファイアーエムブレムの製作者が関わってる(そのことが雑誌などで大々的に宣伝されてる)、システムがほとんど同じ(死んだら生き返らない、武器に使用回数の制限がある)、グラフィックその他の雰囲気も似てる、などの事情からファイアーエムブレムの亜流みたいなゲームと一般的に認知されていると思う。任天堂がこの「ティアリングサーガ」について訴訟を起こしたんだけど、あれからどうなったんだろ?。

 ティアリングサーガだけの特徴として主人公が2人(リュナンとホームズ)いることが挙げられる。単にシナリオ的、展開的に主人公が2人いる、というだけでなく、リュナンのシナリオは難易度が比較的高い、ホームズのシナリオは経験値稼ぎができるので難易度が低い、という違いがある。シナリオの途中で両軍のメンバーを入れ替えることができるので、ホームズ軍で育てたメンバーをリュナン軍に移動させたり、逆にあまり成長してないキャラをホームズ軍に入れて育てたり・・・ということができる。

 

<友人のくまっさんのティアリングサーガについての感想です>

 内容ですが、リュナン軍の進行について、序盤に非常に難易度の高い面が多くありました。結構私も何回かリセットを押す羽目になりました。一方でホームズ軍については、何回でも経験値稼ぎが出来るということもあってか、難易度は低めでした。私の場合、夏休みという時間の余裕も手伝って、ホームズ軍ではむきになって経験値を稼ぎまくって、ゲームバランスを崩してしまいました。序盤で殆どのキャラクターがクラスチェンジを済ませていますと、よってくる敵全てを一人で撃破する、なんていうのもざらでした。
 
 では、つまらなかったのか、というとそうでもなく、非常に面白かったです。私の場合、こういうシュミレーションものは、苦労して育てた最強軍団をもって圧倒的な戦力で敵軍を粉砕する、というのが好きなので、ホームズ軍は破竹の勢いで進軍しました。途中で両軍が交わる時の「編成」では、最強に育てたキャラクターをリュナン軍に移籍させました。それからは、非常に楽、かつ快適なゲーム進行が続き、強いとされるボスクラスの敵もさくさく倒していきました。

 経験値稼ぎをしなかった場合には、このゲームは非常に難易度の高いものでしたでしょうが、私の場合は後半に行くほど楽になっていきましたので、面白さという意味では、半減させてしまったのかも知れません。ただ、ゲームシステムとして、経験値稼ぎが奨励されているので、これも一つの遊び方なのかな、と思いました。


 一方、隠し要素の多さには正直、閉口しました。攻略本なしでは、半分以下の仲間しか集まらなかったでしょう。隠し要素を判明させるような「ほのめかす何か」も皆無でしたし・・・。あれは、やめるべきでしたね。また、序盤のキャラクターが最も使えなくて、中盤以降仲間になるキャラクターが凄く強い、というのにも閉口。だったら、序盤に必死に経験値を分け合うようにして戦った意味はなんなの?ということで、初めからやり直しまして、序盤はヴェガ、ラフィン、ジュリアの三人しか育てませんでしたし、それで正解でした。多くのキャラクターが参戦するのは良いのですが、使えるキャラクターとそうでないキャラクターで完全に分かれてしまい、使えないキャラクターの存在意義が問われるというのは、ファイアーエムブレムシリーズの特徴(特長じゃないよ)として残っていましたw


 シナリオに関しては、ファイアーエムブレムとタクティクスオーガの中間のイメージでした。エムブレムほど勧善懲悪ではないし、人間の暗い部分や戦争としての双方の立場の描写はしっかりしていました。お互い、どちらが悪ではなく、価値観をぶつけ合ったり大切な人を守る為に命をかけたりする様はプレーしていて「よく練りこまれている」と感じました。ただ、随所のキャラクターの会話で「その人は誰!?」と突っ込みたくなるほど人名が沢山出てきて、台詞の内容を混乱させていました。国の名前も多く(要は大国の中に自治を許された小国が沢山あるという設定らしい)、覚えられなかったです。また、後半になるにつれて、敵側の国の内部で反乱をおこしている反政府ゲリラのキャラクター(敵国の王子)が目立ってきて、主人公二人の影がめっきり薄くなってしまっていました。明らかに、この王子を中心とした外伝をあとで作ろうとしているのがみえみえでした。


 まあ、色々文句もあるけど、シナリオの完成度も高く、はらはらさせる要素や難易度も各所にありましたので、私は面白かった、と評価します。なにせ、久々に「70時間」以上ゲームにつぎ込みましたので。最後の総括として、このゲームは極めて「ファイアーエムブレム外伝(ファミコン版)」に近いものでした(よくも悪くも)。


管理者:中霧里五
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