キャサリン
内容
ペルソナシリーズの開発チームによるアクションアドベンチャー。
主人公のヴィンセントは眠ると”何か”が迫ってくる悪夢を見る。そして現実では結婚を望む彼女、誘惑する小悪魔的な浮気相手の2人の危険な関係に悩まされる。
悪夢ステージ→ムービー→ストレイシープ の繰り返し。悪夢ステージは足場を動かして上のゴールを目指すアクションパズル。ストレイシープはバーの中を動いて常連客や店員と会話するアドベンチャー。
感
一見ムービー重視のアドベンチャーに見えるが、実はそうではない。
プレイ時間の大半は悪魔ステージのパズルゲームが占める。パズルは思考型で進み方を考える必要があるが、制限時間も厳しく素早い操作が要求される。難易度もかなり高く、難易度EASYでも後半は厳しい。発売後に難易度を調整するパッチが配信される、公式サイトにヒントが載る、などの救済措置が実施された。
ヒロイン、脇役のキャラは立っている。エンディングは複数あるが、エンディングまでは基本一本道。
○
- 遊び心がある演出が多い。
- ゲームを始めるとゴールデン洋画劇場のオープニングのようなムービーが流れる。
- パズルステージの間に告解の部屋という場所があり、そこでランダムに表示される質問の回答を選択する。
- 「恋人に携帯の中身を全て見せられる?」「結婚とは人生の始まりか?終わりか?」といった男女間の質問が中心。
「理想を完璧に満たすなら、ロボでも結婚OK?」「朝起きて異性になっていたら、すぐに病院?それとも銭湯?」といった愉快な質問も。
- オンラインにつないでいる場合、他のプレイヤーの回答の集計結果が円グラフで表示される。
- 画面の切替でロードが行なわれる時に格言が表示される。
- 「馬鹿な者は独身の間は結婚した時のよろこびを空想し、結婚すると独身時のよろこびを空想する。」
- 「大人は大きく成長した子供にすぎない。」
- 「女の歓びとは男の自惚れを傷つけることである。」
- 「男というものは、自分を愛している女を恨み、どうでもよい女を愛したがる。」
- 「恋をし、同時に賢くあることは不可能なり。」
- 「結婚生活でいちばん大切なのは忍耐である。」
- バーで酒を飲んでグラスを空けると、酒に関する豆知識が表示される。
- バーでジョークボックスでその場のBGMを変更できる。
- 条件を満たすと他のゲーム(ペルソナ3、ペルソナ4、アバタールチューナー、真・女神転生V NOCTURNE)のBGMも追加される。バーの雰囲気に合う静かな曲がほとんどなのは残念。
- バーで「ラプンツェル」というレトロゲーム風なミニゲームを遊ぶことができる。
- キャラクターがいい。
- 2人のヒロインがいい。
- 何もかもが対照的。
- 片や32歳で長年付き合った恋人。片や突然現れた22歳の美女。
- 片や眼鏡をかけた大人。片や小悪魔的な美女。
- 片や黒い服。片や白いドレス。
- どちらも怖い(笑)。
- 主人公の友人などの脇役がいい。
- 恋人トゥルーエンドや自由エンドで意外な事実が明らかになるキャラがいる。
- 何だかんだ言いながら主人公を支えてくれるいい奴ら。
- 声優のキャストが豪華。
- パズルのボリュームが大きい。
- 苦戦したステージが多いが、それだけにクリアした時は嬉しい。ステージクリア時に主人公が「やったー」とガッツポーズする姿にシンクロしてしまう。
- クラッジックをアレンジしたBGMが使用されている。
下から恐怖が迫ってくる緊張感が感じられるアレンジになっている。特にムダルグスキーの「バーバ・ヤーガの小屋」、ショパン「革命」あたりが強く残った。この曲が流れるボス戦で何度も死んだということもあるが…。
- 素早く上に登ると歓声が聞こえてくる。
- ステージごとにスコアが記録される他、AWARDというメニューからクリア済のステージを選択して再挑戦できる。
- バーで「ラプンツェル」というミニゲームを遊ぶことができる。ルールは本編と同じだが、こちらは時間制限が無い。
- 本編の他、パズルのみをクリアしていく「バベル」というモードがある。
×
- パズルの難易度が高い。パズル好き以外には理不尽なレベル。
- 難易度を選択できるが、難易度EASYでも中盤以降は劇的に厳しい。
- 考えないとクリアできない割に、足場が少しずつ無くなる、敵が迫ってくるなどの時間制限がシビア。
- 時間制限はまだしも、ボス戦ではアクションゲーム的な操作が要求されるし、終盤のステージでは足場がランダムに変わるなどの運が絡む要素があり、何回も死んで覚えないとクリアは無理。
- じっくり考える余裕がないまま先に進むので失敗しやすいが、その割にリトライ回数に制限がある。
- リトライ回数がゼロになるとタイトルに戻る→ロード→告解の部屋→ムービーと時間をかけて再開することになってストレス。
- ステージ中でアイテムを取るとリトライ回数が増えるが終盤の厳しさを考えると全然足りない。
(難易度修正パッチを適用するとアイテム1個につきリトライ回数がEASYなら3回、NORMALは2回増えるのでだいぶ楽になる)
- ボスの攻撃や終盤ステージのランダム要素など思考力の及ばないところで死にやすいので、難易度バランスを考えるとリトライ回数に制限をかける方がおかしい。
- 難易度EASYではSELECTボタンで操作を一手前に戻すUNDO機能があるが、NORMAL以上では使用できない。
- 足場の動かし方でクリアが不可能になる、ボスの攻撃で上に登るのに必要な足場が破壊される、ランダムに変わる足場のせいでクリアが不可能になる、といったことを考えるとUNDOの有無による影響はでかい。
- 右スティックで視点移動して周囲を確認できるが、場所によっては確認したいところが見えない。
- 終盤になるともう少し上まで確認できないと見切り発車的に足場を動かさざるを得ない場合がある。
- 場所によっては視点が上手く移動できずに見えない場合がある。
- スパイダー(ぶらさがり移動)をした時、足場の裏側では操作の左右が反転して分かりにくい。
足場の裏側は画面から見えない(どっちに移動しているのか見えない)ので混乱する。
- ゲームを進めるとテクニックを解説してくれる場面があるが、そういったものをいつでも確認できるメニューのようなものがあれば便利だった。
- 告解の部屋での回答の傾向がどのエンディングになるか影響するが、そういうシステムだと各プレイヤーが本当に考えているのとは違う選択肢を選ぶ可能性がある。せっかく回答をオンラインで集計しているのだから、遠慮なく自由に選択できるようにエンディングとは無関係な要素にしてほしかった。
管理者:中霧里五
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