任天堂の看板ゲーム「ファイアーエムブレム」の続編。
キャラクター（ユニット）の個性
前作「紋章の謎」では仲間になるキャラクターが大勢いたけど、しかしその中の全員がエース級だったわけではない。やっぱり使いにくいユニットというものはあったし、使えないキャラと使えるキャラの差は激しかった。
しかし「聖戦の系譜」ではその点に関してのバランスは大きく向上している。
もちろん「黒騎士アレスが鬼のように強い」とか「フォルセティを持たせたセティの強さはゲームバランスを大きく変える」という感じで、「他のヤツラと比べて強烈に強いヤツ」というのはやはりいる。しかし、基本的に「育てても無意味」なキャラはいない。
１ステージで出撃できるユニット数に制限がなく、仲間になったキャラ全員を出撃させることができる、という点も大きいし、それにキャラごとの強さがかなり個性的になっている点も大きい。
町を破壊していく盗賊が毎回出現するので、そいつらを阻止するために、方々にユニットを派遣していく必要があるので、人手はとにかくあった方がいいという状態なのも大きい。
キャラクターには能力値の他にスキルというものがそれぞれあり、例えば流星剣のスキルを持っているキャラは５回連続で攻撃する時がある、追撃のスキルを持っているキャラは条件によっては２回攻撃できるという具合。それによってキャラごとに、コイツはこういうスキルがあるからこんな強さがある、あいつにはあのスキルがあるからこういう使い方ができる、といった個性が生じてくる。
また、「聖戦の系譜」では武器同士の相性が設定されていて、槍を装備したキャラは剣を装備したキャラには強いが斧を持ったキャラには弱い。剣だと斧には強いけど槍には弱い。斧は剣には弱いけど槍には強いという具合（メサイヤの「ラングリッサー」シリーズで使われているシステムと似たような感じ）。 このシステムにより、相性を考慮して攻略していくという面白さが出てくるわけだけれども、それだけではなく、普段はＡよりＢの方が強そうだけど、でも斧を持った敵に関してはＢで闘った方が有利、という具合で、キャラごとの強さが個性的になる一因となっている。
それに斧を持ったキャラが一度期に１人しか仲間にならないのもバランスとしてはＧＯＯＤ。斧は剣や槍と比べると少しパッとしないんだけど、１人しか仲間にならないので、存在感というものが出てくる。空を飛べるユニットもやはり１人しか仲間にならない、というのも同様の理由でＧＯＯＤ。
第１部、 第２部
「聖戦の系譜」は第１部、第２部と分かれていて、第１部はシグルドが主人公、そして第２部は第１部から17年後、シグルドの息子セリスが主人公になっている。第１部の行動しだいではカップルが誕生し、第２部では彼らの息子や娘が仲間になって共にセリスと戦う。
シナリオは「賛否両論」というか「大胆な構成」というか・・・、第１部が終わった時は茫然としてしまった。 しかし第２部の後半あたりになってくると、「親が成し遂げられなかったことを子供達が成し遂げる」「２代に渡る壮大な戦争」という感じが強く感じられてきた。
敵キャラでも第１部で登場して、第２部で再登場するキャラとかもいるけど、第１部から17年経った彼らの姿も中々味が出てていい。
また、第１部でキャラを育てきった後、第２部が始まって「またレベル１育てるのかよぉ」という感じがしたけど、しかし第１部のキャラの息子や娘は父親、母親の両方からスキルを継承し、父親の強さ、母親の強さの両方を受け継いでいるので、ある程度育てるとたいてい親達よりも強くなる。そこまで育てた時は感慨深いものがある、というか、微笑ましいものがあった。
ステージ構成
「聖戦の系譜」のステージ（マップ）数は少な目だけど、しかし１つ１つのボリュームは大きい。 １つのステージが国全体を舞台としていて、かなり広い。
ただし、「ただっ広いだけで冗長」とか「単に攻略するのが面倒くさいだけ」とかいうことはあまり感じなかった。もともと１つのステージと言っても、小さいステージ４つが合わさって１つのステージになっているような感じがある。敵ユニットも段階的に出現してくる。
普通とは少し変わったステージ構成になっているのだけれども、そのことで「国全体を舞台にした戦争」という感じがしている。こまめにイベントが起こったり、キャラ同士の会話があったりするのもＧＯＯＤ。ステージ途中で発生するイベントには印象的なのが多く、特に第１部５章のキュアンとエスリンのイベントは驚いた。
難易度
「ファイアーエムブレム」シリーズは毎回難易度が高いけれど、「聖戦の系譜」もやはり難易度が高い。
それに第１部の行動しだいで生まれてくる子供達だけれども、彼らがいないと難易度的にかなり苦しくなるのが確実となる。第１部のキャラの子供達は能力値、スキル的にも強いし、親から強力な武器を受け継いでいるのがほとんど。
まぁそれでも「トラキア」に比べれば簡単らしいけどね。