コンバトラーVの宿敵ガルーダとの最終決戦となるステージ。同名のステージが「第4次」でもあるけど、両方ともやれば「F」が単なる「第4次」のリメイクとして終わっていないこと、スーパーロボット大戦はシリーズを重ねるごとに進化していることを実感できる。「F」は
「第4次」のリメイクではあるけど、むしろ「第4次」をやってた方が違いが分かって楽しい。
「第4次」の「大将軍ガルーダの悲劇」ではまずコンバトラーVとビッグガルーダとの一騎打ちが始まるけど、コンバトラーVがガルーダを倒すとDCの援軍がぞろぞろと出現し、味方のロンド・ベルの援軍も出撃できるようになる。つまりガルーダとの戦いは前哨戦にすぎない。これではガルーダも浮かばれまい。
「F」の「大将軍ガルーダの悲劇」では味方の登場ユニットはコンバトラーVだけだし、ガルーダはステージボスとして登場している。舞台も地上のステージから要塞のステージに変化した。シナリオやイベントの構成も「第4次」に比べて凝っている。
「第4次と違い、宿敵との最終決戦のステージに相応しいものだった。オレアナ、それにロペットの声のためにわざわざ野沢雅子さんを使うという豪華さもすごい。
このステージをクリアした後のシナリオエンドデモにおいてイゴール長官とアランの親子が和解する場面が見られる。これと似たエピソードは原作にもあった(和解した後にイゴールはローラをかばって戦死したが・・・)。スーパーロボット大戦の二人のエピソードもなかなかで、「久しぶりに釣り行かないか」というイゴールのセリフが渋い。「完結編」でのダンクーガの話は原作よりもいいかも。
「第4次」や「新」ではダンクーガの話がシナリオに全然絡まず(シャピロもイゴールも登場しない)、ダンクーガがただ居るだけのユニットでしかなかった。「第4次SFC版」に至っては選択次第で途中でダンクーガが離脱することがあった。この選択はコンバトラーかダンクーガのどちらかの二択だったが、「第4次SFC」版ではダンクーガの地形適応が全てBという性能なため、ほとんどの人がダンクーガとおさらばする選択をしたと思われる。そういったものの反動なのか「完結編」ではダンクーガが爆発している。敵のシャピロもラスボスとして活躍しているし。
「エルガイム」の敵勢力・ポセイダルとの最終決戦のステージ。もちろん「第4次」でもポセイダルとの最終決戦ステージはあったし、他の勢力の最終決戦ステージから比較すればウェイトは大きい方だった。しかしやはり「F・完結編」の展開の方が上手い。
例えばギワザの裏切りイベント。「F・完結編」ではステージ中に裏切りイベントが発生したけど、「第4次」ではステージ前にギワザが裏切ったことが判明していた。そもそも「第4次」では分岐によっては、タバとギワザが戦闘することがない。
フル・フラットの出番も「第4次」では1回きり(分岐によっては登場すらしない)。しかもステージ中に登場したかと思えばいきなり撃墜されてしまう役回り。しかし「F・完結編」ではガイラムに乗って何回か登場し、敵として何回か闘うことになるし、アムで説得することもできた(仲間にはならないけど)。
条件によってはギャブレーが仲間になるのは「第4次」も「F・完結編」も同じだけど、「F・完結編」の方がギャブレーらしい。ステージクリアした後もブライトに世話になるとただそれだけ言って強引に仲間になる。仲間になる動機が正義や責任感とかではなく、愛する人がいるからというストレートな動機であることが強調されている。
余談ながら、「第4次」ではギャブレーはアシュラテンプルで仲間になったけど、「F・完結編」ではバッシュに乗ってくる。バッシュよりもアシュラテンプルの方が強力だけど、しかしギャブレーの愛機はやはりバッシュだろう。原作最終話においてギャブレーがダバと共に戦ったときはアトールからバッシュに乗り換えていたし、逆にアシュラテンプルにそれほどの愛着があったわけでは無さそう(原作第28話「ネイ・クライシス」でダバの乗るエルガイムにアシュラテンプルを突っ込ませて自爆させた)。バッシュの方がより原作を反映させたセレクトと言える。
エンディングにおいてハッシャが船に密航する場面が見られたりする。このような場面も「エルガイム」ならでは。逆に終盤ひたすら暗い「ZZガンダム」では敵キャラは「敗者への凱歌」で全員死亡している(原作では生死不明のイリアやアリマスさえも死亡)。
「Zガンダム」に登場するジェリド・メサはその情けなさで敵キャラとしては出色のキャラ。
スーパーロボット大戦においても「F」以前のジェリドはザコよりはちょっと強い敵ぐらいのイメージしかなかった(要するにザコキャラ。その方が原作通り?)。
シナリオ上でも単にロンド・ベルの行く手を阻む敵に過ぎず、DCやティターンズの単なる兵士という扱いだった。しかし「F」のジェリドは強い。シナリオ上においても単なる兵士としてではなく、ライラやカクリコンの仇を討つために打倒ロンドベルに執念を燃やすという自分で動くキャラになっている。
「始まりと終わりが集う場所」はシャピロがラスボスとなる最終面。その最終面に至るまでジェリドは何度となく登場しそして結局はロンド・ベルに倒されるわけだけど、しかしそのジェリドにも最後の最後に活躍の場が与えられる。ラスボスのヴァルシオンは「第2次」でも元祖ラスボスとして登場したものの、「第3次」、「EX」、「第4次」で最終面の中ボスユニットとし安売りされていた。しかし「完結編」ではメチャ強の強さを誇る。バイオリレーションシステムを使っているそうだけど、ただでさえ堅い装甲に毎ターン「鉄壁」でその効果が2倍になり(魂をかけたファンネルのダメージが30)、ゲッターやグルンガストで苦労して何とか倒してもHPは全回復する。もちろん攻撃力、回避性能、射程、命中率も全て高い。
ジェリドはその極悪ボスに対して特攻するという名誉を与えられた。シャピロに特攻することでマウアーの仇を討つことができたのである。ジェリドの特攻によってヴァルシオンのバイオリレーションシステムも破壊され、シャピロはロンドベルに即効で倒されることになった。単にパロメータ的に強いというだけではなく、ジェリド(ルートによってはミリアルド)の特攻によって初めて倒せるようになるという演出をつけるところがいい。第2次から続いたこの世界も「完結編」でいちおうの終止符が打たれたけど、その最後の戦いにふさわしいステージだった。