斬魔大聖デモンベイン

内容

 ノベルタイプのアドベンチャー。主人公・大十字九朗はひょんなことから最強の魔道書アル・アジフと契約させられ、最強のスーパーロボット・デモンベインの操者となって魔導組織「ブラックロッジ」と戦う羽目になる。ストーリー・世界観はロボットものだけど、魔術や神話(クトゥルー)などの要素も含む。戦闘はロボット同士の戦いだけではなく、超人的な能力を持つ人間同士のバトルも多い(ジャイアントロボ?)。

感想 (○×型)

前半のストーリーはギャグ的展開が多く笑えた。「俺の人生のフローチャートは全部が全部バットエンドへの分岐かよ!?」「何故に俺の周りには俺を脅かさない女は寄って来ないのか」と叫ぶ不運の主人公・大十字九朗の周りのキャラはアル・アジフを始めとしてトラブルメーカー、性格が微妙に偏っている人達がほとんどで、セリフも笑えるのが多い。「ですから大十字さんも、自分のことを凡夫だの愚民だの貧乏人だの下賤だの不潔だの醜悪だの下等生物だの自分を卑下しないで下さいね!」「こうなれば・・・・・・皮膚が爛れ、内蔵が腐れるほど劣悪な地下の地下の強制労働所に収容して、人間としての一生に終止符を打ってやる・・・・・・ッ!ワイン片手に薄ら笑いを浮かべて見下してやる・・・・・・ッ!」「何を言うか!裸ワイシャツの美少女といえば、男の浪漫、男の本懐といったところではないか!それくらいのことは我慢せい。」「世界を滅ぼし尽くして革ジャン着たモヒカンの悪党がチェーン振り回して暴れるような未来をもたらしても、まだお釣りが来るといったところである!」
3人のヒロイン、アル・アジフ、覇道瑠璃、ライカそれぞれのENDに分岐するけど、それぞれのENDに至る展開は、瑠璃・ライカのストーリーで語られないことがアルのストーリーでは明らかになる。瑠璃のストーリーで明らかになることはアル・ライカのストーリーでは語られない、といった具合になっている。
始めは戦う理由もなかった九朗が、強い決意で戦いに臨むようになる、周りの人達も九朗を少しずつ認めていく、勝てそうにない強敵達がどんどん現れる、九朗が大打撃を受ける、しかしその挫折から友情・愛情により見事に復活する、そして最終決戦・・・・という王道的な展開が丁寧に大ボリュームで流れる。
同じニトロプラスの名作「ファントム・オブ・インフェルノ」等に比べてボリュームが大きい。「全く無駄な描写がない」とまではいかないけど、しかし「退屈する」「欠伸が出る」ような展開ではなかったと思う。
ロボット同士の戦闘、超人同士の戦闘の描写で「ピンチ→復活」の展開がほどよい感じにくり返された。
後半以降、強大な敵の幹部・アンチクロスとの戦闘に入るのだけど、6人いるアンチクロス全員が強大な力を持ち、「どうやってコイツを倒すのか」ワクワクしながらゲームをプレイした。アンチクロスそれぞれに性格付け、役割、思考にはっきりした違いが見られ、それぞれに見せ場のような展開が設けられていて、九朗とアンチクロス達との対決からストーリーが一気にシリアスになった。
60箇所にSAVE可能で、SAVEデータにコメントを入れることができる(コメントを入れなければSAVEした場面の文章の一部が表示される)。

× インストールした後もゲームを起動する時はCD-ROMを挿入している必要が有り。「吸血鬼ヴェドゴニア」や「鬼哭街」はフルインストールすれば、その後はCDをドライブに入れなくても遊べたのに・・・。
× 後半以降、アル・アジフ、覇道瑠璃、ライカそれぞれのストーリーに分岐するのだけど、もちろん共通の展開になっているところは存在する。それ自体はいいのだけど、アンチクロスを倒す順番まで同じなのはどうかと。

ロボットものとして


管理者:中霧里五
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