Fate/stay night(フェイト/ステイナイト)

内容

 同人の「月姫」を出したTYPE MOONのノベルアドベンチャー。
 聖杯戦争とは聖杯を巡る争い。聖杯を手に入れられるのは、最強の英霊サーヴァントを召喚した、マスターと呼ばれる魔術師のみ。7人の魔術師がマスターに選ばれ、1人になるまでマスター同士で殺し合う。主人公・衛宮士郎は魔術師としては半人前だが、セイバーと呼ばれる最強のサーヴァントを召喚してしまう。マスターとして、聖杯と生き残りをかけた争いをセイバーと共に戦い抜く。・・・というストーリー。

感想

「月姫」が好きなら「Fate」は問題なく楽しめると思う。
以下の点で月姫と同じ。
 ・主人公がヘタレじゃない。
 ・バトルシーンが多い。
 ・何かしら特殊な能力を持った人達が多い。人外の化け物じみたヤツラも多い。
 ・ヒロインが強い。バイオレンス。
 ・伏線が豊富。
 ・BAD ENDになった場合、「どうしてバットエンドになったのか」教えてくれる「タイガー道場」なるものがある。
  (「月姫」の「知恵留先生の授業」と同じようなヤツ)

 特に「バトルシーン」「ヒロインが強い」といった点は「月姫」よりもパワーアップしてる。
 もともと「Fate」は初めからバトルロワイヤルなストーリーなので、「戦闘」「戦闘」のくり返し。士郎と共に戦うセイバーも最強のセイバーと言われるだけの能力を持っているんだけど、しかしそれでも圧倒的な戦闘力を持つバーサーカーやら陰謀に長けたキャスターやら強敵が次から次へと登場する。特に終盤あたりの展開では「こんなデタラメなの倒せないだろ!」ぐらいな絶望的な状況になる。あまりにも敵が強大なので、どうやって倒していくのか、予想がつかなかった。
 「月姫」のヒロインもバイオレンスな人達が多かったけど「Fate」はそれ以上。選択肢を間違えて士郎が死ぬようなストーリーになるとBAD ENDになるわけだけど、そのBAD ENDの原因、要するにストーリー上で士郎をぶっ殺した人達について調査して、「士郎ぶっ殺し回数ランキング」なるものを作ってみると、ベスト5は全て女性キャラでした・・・。

 ヒロインの数は「月姫」が5人なのに比べ、「Fate」は3人。ただしボリュームはでかい。「かまいたちの夜2」や「YU-NO」もクリアまで長かったけど、しかしFateは更にその上を行く。クリアするのに45時間以上かかった。

一本道ストーリー

 一見、選択肢によってストーリーが分岐するマルチストーリー方式だけど、しかし極端に言えば「一本道」。初めにクリアできるのはセイバルートのみで、セイバールートクリア後、凛ルートに入れる。そして凛ルートクリア後、桜ルートに入れる。要するにセイバー→凛→桜の順番にクリアしていく。「痕」と同じ方式。
 順番が決まっているだけあって、凛ルートの話はセイバールートでの話が前提になってるし、桜ルートの話も凛ルートでの話が前提になってる。セイバールートで謎だったことが、凛ルートで明らかになったり、凛ルートではセリフにちょっと出てきただけだったのが、桜ルートで表に出てきたり・・・といった具合になっている。
 「Fate」は強力なサーヴァントでバトルするストーリーだけど、ルートによってストーリーに関わってくるヤツラが違う。セイバールートではあまり目立たなかったヤツラが他のルートではストーリーに大きく関わってくることも多い。セイバールートでは謎だったヤツラが他のルートでその正体が明かされることも多い。
 僕的に一番好きだったのは凛ルート。サーヴァントのアーチャーやランサーがカッコいい。これぞ漢!。・・・この人達、他のルートではあまり活躍しないんだけどね。

サーヴァント

 「Fate」のある意味中心と言えるのがサーヴァントと呼ばれるキャラ。それぞれのマスターに協力して戦闘するサーヴァントはどれも個性的で、そして強い。
 サーヴァントはそれぞれセイバー、バーサーカー、アーチャー、キャスター、ランサー、アサシン、ライダーといった名前で呼ばれるけど、しかしその正体は歴史上、神話上の英雄が死後に英霊となったもの。例えばバーサーカーの正体はあの有名なヘラクレス。ただしこのサーヴァントの正体は普段は伏せられていて、中にはゲーム後半以降、最後のルートの桜ルートになってようやく正体が分かるサーヴァントもいる。あのサーヴァントは誰なのか想像しながらストーリーを進めた。
 「Fate」にはRPGで言う戦闘シーンのようなものは無いけど、しかしサーヴァントのステータス画面なるものはある。魔力がAだとか敏捷性がBだとかいった能力値の他、このサーヴァントにはこういう特性がある、とかいう情報も載っている。「演出」という点でも面白いし、場合によってはステータス画面に載っていることが、そのままストーリー上で伏線になっていることも多い。
 サーヴァントの正体は大体メジャーなものが多いけど、仮に神話に疎くて知らない場合でも、ステータス画面を見ればそれぞれのキャラの一生涯の話が大まかに載っている。

月姫との関連

 小説「空の境界」は一部「月姫」とつながりあるけど、別に「月姫」知らなくても問題は無い。「Fate」もそれと同じ。「月姫」との関連は「ちょっとある」程度。
 「もともと教会の目が届きにくいこの国で、アオザキの管理地に次ぐ一等地は数少ないわ。」「封印指定を受けて協会から逃げ出したんだって」など「月姫」を知ってる人がニヤリとするのがほんの何箇所かある程度。
 でも個人的には「月姫」のキャラと「Fate」のキャラがみんな登場する話を見てみたいなぁとか思ったり。


管理者:中霧里五
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