Routes(ルーツ)

内容

 主人公・那須宗一は普段はフツーの学生。ただしその正体は世界トップクラスのエージェンント(工作員、スパイの未来版?)。大型船が消失する謎の事件が起こり、宗一は事件に巻き込まれる・・・というストーリー。
 選択肢はあまり無く、「遊ぶ」より「読む」方に重点が置かれた作り。「皐月」「ゆかり」「リサ」「夕菜」「七海」の5人のヒロインのストーリーがあるけど、それぞれのストーリーに分岐するのは序盤。5つ全てのストーリーをクリアするとトゥルーエンドシナリオになり、その次にROOTSシナリオになる。

感想

 「七海」シナリオで判明したことが「リサ」シナリオの伏線になっていたり、「夕菜」シナリオでの伏線が他のシナリオにあったり、互いに補完する関係になっている。最後にやることになるROOTSシナリオも歴史上の伝承・伝説を基にした伝奇的な話になっている。いろいろ工夫されてるのは分かるし、部分部分ではそれなりに面白い場面があると思うけど、しかし正直言って全体としてはちょっとどーかなぁと思う部分も多い。整合性が取れていないというか、強引にバラバラのピースをくっつけたように感じるところも多い。
 宗一の性格がシナリオによってかなり違う。「皐月」「ゆかり」「リサ」「トゥルーエンド」と「夕菜」「七海」「ROOTS」では全然違う。前者では女にデレデレでちょっと熱血なヤツで、後者ではひねくれて妙に大人びたヤツになってる。どうもそれぞれ違う人がシナリオを書いているみたいなんだけど、それにしたって違いすぎるし、話の雰囲気も違う。「ROOTS」で伝奇的はシナリオが入るけど、それとRoutes本筋シナリオ(宗一の話)との関係も強引につなげたような感じがしたし、「ROOTS」での宗一も、突然なにか超常的な能力を持つ話になっていたり(ちょっと電波?)。

 ストーリーから僕の好きなサスペンス風味かなと思ってたけど、でもそれに関しては期待はずれだったかも。宗一は「本当に世界一のプロなのか?」と思うようなヤツで、女にデレデレしたり、甘い行動をしたり。絶体絶命のピンチから逆転する展開がちょっとご都合主義的な安易なものが多かった。
 ただし、サスペンスじゃない話、例えば「夕菜」シナリオなどは宗一が過去に向かい合っていく話だけど、そういうのは僕的にはそれなりに良かった(まぁ、あくまで5つの中の1つとしてこういう話があるのは良かった、ということで、全ての話がこんなだったら飽きるとは思うけど)。
 「ROOTS」シナリオの伝奇的な話もそれ単体では良かったと思う。僕は特に歴史に詳しいわけじゃないけど、伝説上の話、伝説上の人物を上手く使った話になってると思う。伝説上では悲劇として伝えられた話だけど、それをそっくり踏襲していないところも個人的には好き。


管理者:中霧里五
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