沙耶の唄

内容

 ニトロプラスのノベルアドベンチャー。話の雰囲気はサスペンス&ホラー。「ファントム オブ インフェルノ」「吸血鬼ヴェドゴニア」「鬼哭街」の虚淵玄氏がシナリオ担当(同じニトロプラスから出てる「デモンベイン」「ハローワールド」は虚淵玄氏とは別の人が脚本担当)。

ストーリー

 主人公・匂坂郁紀は交通事故で生死の境をさまようが、奇跡的に助かる。しかし後遺症で周囲に見えるものは全て醜く歪んで見えるようになり、人間はおぞましい肉塊に見え、建物は豚の贓物をぶちまけて塗りたくったように見え、人の声は金切り声、呻り声、奇声に聞こえてしまう。そんな絶望的状況で郁紀は沙耶という謎の少女に出会う。沙耶だけが何故か人間として見え、触れた時に確かな暖かみを感じることができた。しかしそれは更なる狂気への幕開けだった。
  「世界が当たり前に見えなくなる」というストーリーは手塚漫画「火の鳥・復活編」のストーリーを思い起こさせるけど、実際ゲーム中でも「昔読んだ漫画でさ・・・」というような感じで触れられている。

感想

 ストーリーはかなり強烈。ゲームとしてニトロプラスのゲームの中でどれが一番か、ということであれば僕は「ファントム オブ インフェルノ」あたりだけど、しかしニトロプラスのゲームの中で一番印象に残ったのはどれか、ということであれば今のところ「沙耶の唄」になる。
 広告に「燃えません!凍えます」というのがあったけど、それは100%真実。特に文章が「おどろおどろしい」わけではないけど、しかしストーリーはかなりヤバい。「ファントム オブ インフェルノ」などの一連のゲームはダークな雰囲気があるものの、「絶望的状況から強い意志と力で這い上がっていく」というオーソドックスなストーリーだった。しかし「沙耶の唄」は、「禁忌」というか「触れてはいけないモノ」といったものが滲み出るストーリーだった。結末は3つあるけど、どれも納得できるものだったと思う。
 定価4800円であり、「デモンベイン」の8800円に比べると安いけど、しかしボリュームも小さく、すぐ終わる。選択肢がある場所も2箇所しかなく、ゲームというよりデジタルノベルに近い。
 既読スキップ、バックログなどの機能はもちろん存在。セリフはフルボイス。「デモンベイン」と違い、一度インストールすればCDを入れなくても起動する(デモンベインと違い、プレイ時間が短いので、CD無しで起動できてもあまりありがたみないけど)。


管理者:中霧里五
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