雫リニューアル版

内容

 1996年に発売された「雫」のリメイク。高校を舞台にしたサスペンスなノベルタイプアドベンチャー。
 「ある日、教室でクラスメイトの一人が突然発狂し、卑猥な言葉を叫んで、自分の爪で自分の顔を刻んで血だらけになった。その3日後、主人公は事件の調査を依頼される・・・」というストーリー。
 同じ会社から発売された「」の姉妹的作品。「雫」「痕」「To Heart」の順で発売された。

感想

 「痕」と同じ流れのゲームだけど、「痕」よりも先に発売されただけあり、「痕」よりは格が落ちる。ボリューム的にも、ストーリーの展開においても。
 ストーリー自体が短く、主人公が昼から調査を始めてその日の夜に事件が解決する。ストーリーが短いこと自体に問題は無いかもしれないけど、主人公と他の登場人物との関わり合いや、主人公を取り巻く特異な境遇について、丁寧に描かれることがないままに、あっという間に終わってしまうのはどうかと思う。「痕」であれば、まず事件が勃発してから、主人公の置かれた特異な境遇について少しずつ分かり、真犯人が明かされ、主人公が試練を乗り越え、そして全てのことが分かり・・・という具合に、展開が非常に丁寧だった。
 「雫」のキャラクターや設定は決して悪くはない。「電波届いた?」とかほざく危ないヒロイン・月島瑠璃子を見て、ちょっと引いてしまったけど、しかしストーリー自体は分かりやすいものだったし、その危ないヒロイン・瑠璃子のシナリオが結局は一番面白かったしね。瑠璃子のシナリオは物語の全貌が明かされる展開になってるし、最後にちょっとした仕掛けをしてるし。
 それだけに、素材自体は悪くないのにそれを活かしきれてなくて惜しい気がした。悪役の??についても、もうちょっと展開を丁寧にするなり、伏線を立てるなり、シナリオごとで違った行動を取る展開にするなり、キャラを活かす可能性はいろいろあったと思うのだけど。

 尚、「痕リニューアル版」と違い、「雫リニューアル版」はボイス付きでリメイクされている。「雫」では放送禁止用語を連発して叫びつづけるイッちゃった人達がいるので、ボイスの効果は絶大(笑)。スピーカーの音量を落とすことが多々あり。

 余談ながら、ストーリー上で主人公が公衆電話をかける場面があるんだけど、それを見て「あの時代は携帯電話が無かったんだな」としみじみしたり。
 もう1つ余談。全エンディングを見た後、タイトル画面の屋上入口をクリックすると旧作のCGなどが見られる「おまけ」モードに移動。


管理者:中霧里五
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