スナッチャー

 このゲームはパソコンで発売され、その後、PCエンジンで完全版が発売され、そしてプレステ、サターンに移植された。僕が実際にプレイしたのはPCエンジン版とプレステ版。

 プレステ版の方をやってみたけどPCエンジン版と比べてそれほど変わったわけではないみたい。バトルシーンが少し追加されたようだけど、グラフィック的にそれほど変わっているわけでもないし、音楽に関しては(ハードの特性もあるのかもしれないけど)PCエンジン版の方が良かったような気がする。

 

 「メタルギア・ソリッド」の小島監督の名作。大昔に出たゲームなので現在から見るともはや過去の遺産であり、グラフィックも今の技術から見るとショボい・・・。しかし、もしアドベンチャーの最高傑作を1作選ぶとすれば、僕はこの「スナッチャー」か「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」のどちらにするかで迷うと思う。

 

スナッチャー

 「スナッチャー」で一番印象的なのは、人間を殺害しその人間に密かにすり替わるバイオロイド「スナッチャー」の存在。ストーリー上、このスナッチャーとの攻防が主軸になっていくけど、誰がスナッチャーなのか捜査していく過程、推理していく過程が非常にうまくできている。スナッチャーを見破るにはどうすればいいか、スナッチャーの目的は何なのか、といったことがストーリーにうまく絡み合っている。

 ゲーム中、スナッチャーは突然、意表を付いて襲ってくることが多いのでドキドキする。しかも戦闘シーンになったらSELECTボタンで素早くブラスターを構えて素早く敵の位置に向けて撃たなくてはいけない、というシステムなので、突然スナッチャーが出現すると緊張感が高まる。

 

テンポ

 「スナッチャー」はテンポ良くゲームが進む。全体的に映画的な演出が多く、サスペンスタッチでゲームが進む。

 もちろん最近のゲームのようなデジコミライクに進むアドベンチャーに比べれば、やはり昔ながらのコマンド選択式なのでコマンド総当り方式のような感じも多分にある。それでもテンポは良い方だと思う。クリアに10時間もかからないし、つまって先にすすめないということもほとんどない。

 「スナッチャー」のことを捜査する過程で少しずつ謎が解き明かされていく展開、更に謎や伏線が出てくる展開が続き、クライマックスに至るまで退屈することがなかった。最後には強烈などんでん返しが用意されている。

 

ネオ・コウベ

 ネオコウベというブレードランナー的な雰囲気を醸し出す近未来の世界観がかっこいい。

 異様な存在感を持つ情報屋ナポレオン、ジャンク屋街JOY・TO・VISON、コスプレパブ「OUTER HEAVEN」など、どこかしら退廃的な雰囲気があるのが特徴的。ゲームの舞台も地下道やら廃墟やら貧民窟やら廃病院やら泥臭い所が多い。しかし逆に小型メカのメタルギアMkUや科学的な証拠分析など「最新鋭」「最先端」を感じさせる雰囲気のものも多く、そのアンバランスさが際立っているのが面白い。

 

メタルギアMkU

 主人公ギリアンをサポートする役割を担うのが小型高性能メカのメタルギアMkU。まず最初の登場シーン、部屋の影からガチャガチャと音が鳴る、大きな影が近づいてい来る、ジョーズが現れるような緊迫感のある音楽が流れる、という雰囲気の中、全長310mmの小型メカが登場してくる。

 スナッチャーのことを捜査する過程で毛髪とか胃の中身とか人工皮膚とかを解析する描写がとても印象的。センサーも搭載しており、ゲーム中、敵が出現した時に「前方に動体反応あり!!」と言って警報を鳴らすのもプレイ中の緊張感を高めている。まぁ時には「動体反応あり!!」と言いながら結局は「ハエです・・・」って時もあるけど。

 会話することもでき、ギリアンに対してアドバイスすることも多い。しかし基本的にギリアンと漫才のような掛け合いをすることの方が多い。

 

キャラクター

 登場人物は全体的にアダルトな感じ。主人公の「ギリアン」が31歳の渋い大人なら、ヒロインの「ジェミー」も29歳の大人の女性。まぁカトリーヌのように14歳でモデルやっているヒロインもいるけど。

 人間臭いキャラクターが多く、複雑な過去を持ったキャラクターが多い。個人的にはランダム・パジルがお気に入り(声優は塩沢兼人)。僕がやったことのあるゲームの中ではコイツ以上にかっこいいキャラは今のところいない。

 

世界観

1991年モスクワにおいて大惨事(バイオハザード)が発生。それにより東欧諸国、ユーラシア大陸の80%が壊滅、世界の半分が死滅した。そして50年後−(このゲームが作られたころはまだソビエトは崩壊していなかった・・・)。

 

ストーリー

ネオコウベにおいて謎の生命体、バイオロイド「スナッチャー」が出現。彼らは冬になると現れ、人を殺害、密かに本人とすり替わり、社会に浸透していく。人工の皮膚を纏い、汗もかき、元の人間との見分けはほとんどつかない。この危機に対処すべく対スナッチャー用特殊警察班「ジャンカー」が創設された。

 

登場人物紹介

ギリアン・シード

3年前、シベリア中立領土で軍に発見され保護される。保護される以前の記憶は喪失している。ただし、過去にスナッチャーと何らかの関係があった模様。軍で訓練を受けた後、「ジャンカー」に属。

ジェミー・シード

ギリアンとともに3年前同じ場所で保護される。二人の身の回りの品から二人が夫婦であることが分かったもののお互いに記憶がない状態のためうまくいかず2年前から別居。

ランダムパジル

スナッチャーを追っている凄腕の賞金稼ぎ。その正体には謎の部分も多い。冷静な判断力を持つ一方、情熱的な部分も多い。

メタルギアmkU

ギリアンをサポートする小型ロボット。センサーによって動体反応を感知したり、証拠品を分析したり、通信の機能を備えていたりと、小型ながらその能力は高い。会話することもでき、ギリアンと漫才のような掛け合いをすることも。


管理者:中霧里五
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