MSXで「メタルギア2」を遊んだことがあり、当時はかなりの衝撃を受けた。僕がプレステを買った理由は、そのメタルギアの新作が発売されると聞いたから。でもそれは「メタルギア・ソリッド」の発売日より2年半ほど前のことだったのだが・・・。
さんざん待たされたものの、しかも10時間くらいでクリアしてしまったけど、しかし期待を裏切らない出来だった。
敵基地に潜入して作戦を遂行する、というメタルギア最大の楽しみは目一杯堪能できた。レーダーに表示される敵兵士の位置や視界を頼りに、敵兵士や監視カメラに見つからないように、場合によっては壁を叩いて物音を立てて敵兵士をおびき寄せたり、物陰に隠れたり。それでもトラップに引っかかったり、足音が聞こえる床を歩いて、敵に発見されてピンチになったり。
使い方のユニークなアイテムが多く、仕掛けをクリアするためにアイテムを駆使する必要がある。ボス戦も指先のテクニックだけではクリアは難しく、アイテムや武器を上手く使う必要がある。しかし無線機による会話で、仕掛けをクリアするためのヒントや、ボスを倒すためのヒント、アイテムの使い方も教えてくれるので、一見すると難しそうなゲームだけど、意外と簡単にクリアすることができた。
ハードがプレステになって、グラフィックが大幅に進化し、ポリゴンデモによる映画的な演出が加わっているけど、イベントのテンポは長ったらしくなく、伏線もしっかり張られていて、緊張感のある「緻密な人間ドラマ」になっていた。リキッドスネークやニンジャなど敵キャラ達の生き様も見事。
MSXの「メタルギア2」より8年も経った後の発売であり、「メタルギア2」と「メタルギアソリッド」の間はスーファミなどの16ビット機をすっとばしている。シリーズ3作目と言うより、新生メタルギアシリーズ第1作目と言った方がいいかもしれない。ここまで時間が経った後の続編は全く別物と言っていいものになることが多く、例えば「ザ・スーパー忍」と「忍(Shinobi)」は全く別のゲームになっている。メガドラのソニックシリーズとドリキャス以降のソニックシリーズはスピード感重視と言う点では同じだけど、ゲーム性はだいぶ異なる。マリオシリーズ、メトロイドシリーズ、ゼルダシリーズもファミコン&スーファミ時代では2D的で、Nintendo64&ゲームキューブ時代のものは3D的。
しかし「メタルギアソリッド」はゲーム性自体はMSXの「メタルギア2」とそれほどかけ離れていない。基本的には2Dの見下ろし型のまま。
もともとMSXの「メタルギア2」の時点で、潜入アクションとしては完成されており、
といった要素は既に「メタルギア2」の時点で出来上がっていたもの。「メタルギアソリッド」はこれらの点をそのまま踏襲した上で、進化するところは進化している。
ゲーム性の上で「メタルギアソリッド」は「メタルギア2」の正統進化の続編だけど、それと同時にストーリー上でも「メタルギア2」の続編になっている。「メタルギア2」の時点でストーリーは完全に完結しているのだけど、「メタルギアソリッド」の主人公は「メタルギア1」「メタルギア2」と同じソリッドスネークであり、キャンベル大佐ともう1人、「メタルギア2」より引き続き登場している。
「メタルギアソリッド」のシナリオ自体はかなり精度の高いものになっているのだけど、しかし「メタルギア2」をやっていないといまいち分かりにくい所があるのでは?と思った。ビックボスがどうのと言われても「メタルギア1」「メタルギア2」をやってないとイマイチ分からないだろうし、「メタルギア2」をやってないと魅力が30%減してしまうキャラもいる。
個人的には「メタルギア1」、「メタルギア2」をゲームボーイあたりで是非リメイクして復刻して欲しいところ。・・・と思ってたら、携帯アプリで復刻されたらしい。携帯は電話とメールのみ使用、しかも持ってるのはマイノリティのDDIポケットPHSの僕には縁の無い話だけどね。