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5.SAV−32X ボックシリーズ

〜圧倒的な火力搭載力と優れた量産性、機動性をもつムーニー・バレーの切り札的な機体。SAV−07ベルグドルはライデンの廉価版として大量生産され、OMGのみならず、数々の戦場にて高い戦果を挙げた。多数のエースパイロットがベルグドルに搭乗、めざましい活躍をした。しかし、同時にこの機体の欠点も表面化した。火器管制システムとミサイルランチャーが頭部付近に集中したため、機体バランスが悪く転倒しやすいのだった。このデータを受けてムーニー・バレーは機体構造の徹底的な見直しをした。それはもはやスケルトンレベルでの大幅な改修となり、完成した試作機はベルグドルと似ても似つかない特異な形態となった。この機体は後に限定戦争におけるVRの市場の約六割を占めるほどの大ヒットをとばすことになる。

〜機体の構成を武装と機動に分割し、まず「ボックVR」と呼ばれる母体を作成、その母体に様々な状況に合わせて開発された武装を被せるようにして機体全体が構成される。その二人羽織を連想させる姿を「ユニット・スケルトン・システム」と呼び、戦況に応じて装備を変更できる汎用性の高さはRVRアファームドに匹敵する。武装は実弾兵器とビーム兵器の二つに大きく分類される。

〜大型ミサイルを六基搭載し、左右の腕にはマイクロミサイルとナパーム弾が装備されている機体は「グリスボック」。機体の中央に取り付けられている小さな補助腕は小型のマシンガンを携帯している。グリスボックの最終兵器は頭部背面に搭載されている核ナパームミサイルである。このミサイルは半径十km程度を灰燼と化すことのできる長距離射程兵器だが、限定戦争という限られた戦場下では使用されることは滅多にない。

〜ビーム兵器を搭載したタイプは「シュタインボック」で、両肩にツインビームキャノン、両腕にマルチビームランチャーを装備している。この機体は元々、戦闘継続時間が短く凄まじい弾薬費用のかかるグリスボックの問題点を解消するために開発されたもので、基本構造はグリスボックと同じである。ビーム兵器による武装は戦闘継続時間を圧倒的に長くしたが、同時にグリスボックの最大の売りであった重火力は影を潜めてしまった。しかし、その扱いやすさと汎用性は前線の兵士にも受けがよく、この機体もメガヒットを記録した。

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