BACK

3.XVR−SM/06−W サタン

〜SM−06のアイザーマン博士がサイファーをベースに新兵器「エビル・バインダー」を実用化するための実験機として作り上げた機体。開発初期のエビル・バインダーはMVB−04テムジンをベースに実験などを行っていたが、パイロットの精神のみならず、機体も十数秒で自壊してしまい、長時間のテストに耐えられなかった。そこでアイザーマン博士は最新VRサイファーをベースに新たな実験機を作り、その実戦テストをエースパイロット「ジョバン・トクノイ」に任せることにした。

〜基本性能はほぼサイファーと同等だが、エビル・バインダー装着に伴い変形機構は凍結されている。また、各所に追加装甲が施されているために機動性能は若干低下している。しかし、エビル・バインダーを起動させるとサイファーとは全く異なる桁違いの性能を見せる。パイロットの憎悪感情を増幅し、それを機体へMSBSを仲介してフィードバックすることで、ジェネレーター出力、火力、レスポンス、機動性が大幅に向上、そして何よりも圧倒的な対弾性を備えることになる。これはVコンバータの出力がエビル・バインダーによって活性化され、機体性能そのものを底上げされることで起こる。

〜エビル・バインダーの機能が100パーセント発揮された状態のサタンは正に無敵の機体と化すが、その限界活動時間は三十秒と極めて短い。三十秒を超えてエビル・バインダーを起動させた場合、パイロットの精神は悪性Vクリスタルに取り込まれ、機体と共に自壊し再生不可能となる。

〜サタンにはリミッターが取り付けられており、三十秒以上の起動は出来なくなっている。リミッターが発動するとMSBSとエビル・バインダーは強制終了され、自動的に一般設定に切り替わる。その場合、MSBSの再起動にはインターバルが必要となり、事実上戦闘行為は不可能となる。

〜エビル・バインダーはこの機体のテストを経て、RVR−87スペシネフに装備されることになる。スペシネフに取り付けられているエビル・バインダーはサタンのそれよりも機能を抑えられ、生産性と安全性を向上させている。これによって精神崩壊を起こすパイロットは減少したが、その性能はサタンに遠く及ばないものになってしまった。

〜エビル・バインダーはオーバーテクノロジーの実用化を目指した初期のVコンバータ内ディスクの中で、人間の精神を取り込んだ悪性Vクリスタル質を破砕細分化して、構造材として再利用したものの総称で、サタンやスペシネフの背部の翼に使用されている。この構造材を含んだ材質でVRを構成することでVRの戦闘能力を向上させることが出来る。しかし、その代償としてパイロットに多大な精神的負担をかけることになる。

BACK
image