大神シリーズ

PS2、Wii

NintendoDS

大神(おおかみ)

内容

 主人公は狼の姿をした神様のアマテラス。
 舞台となるナカツクニは美しい自然溢れる世界。その一方、妖怪が跋扈する世界でもあり、怪物ヤマタノオロチが復活し、禍々しい気配が溢れる。
 和のイメージが強く、グラフィックは水墨画調の独特な雰囲気で、スサノオ、ヒミコ、カグヤなど日本神話や民話、古代史の人物と同名のキャラクターも登場する。

アクションRPGとして楽しい

 アクションRPGとしてはいい意味で基本に忠実。さまざまな仕掛けを突破してダンジョンをクリアする、ダンジョンの奥に待ち受けるボスを倒す。ゲームを進めていくにしたがって、できる操作が少しずつ増えていく、新しい操作を上手く使って先に進む。
 指先の微妙な操作もある程度は必要だけど、それほど難易度は高くない。むしろ「どうやれば先に進めるのか」「どうやれば敵を倒せるのか」考える方がウェイトは高い。穴や谷底などの地形に落ちてもHPが少し減るだけで、即ゲームオーバーにはならない。ボス戦にしても、戦闘中にアイテムを使ってHPを回復できるし、どうやればダメージを与えられるか発見できればクリアは難しくない。一緒に旅をする相棒のイッスンもヒントとなるセリフを喋る。
 「大神」の大きな特徴であり、「大神」独特の操作として「筆しらべ」というものがある。R1ボタンを押すと筆を操作する画面になり、そこで描いたものによっていろいろな効果が発生するというもの。ゲームを初めてからエンディングに到達するまで「筆しらべ」を「どこでどう使うか」ということを考えながら、敵を倒したり、仕掛けをクリアする。同じ描き方でも、上手く使えば絶大な効果を発揮する仕掛けが数多く用意されている。例えば横棒を描くという動作を、岩などの障害物に対して使うこともあるし、敵が武器を横に構えて防御した時に武器に対して横棒を描いたり、飛ばしてくる剣に対して横棒を描いたり。「筆しらべ」は全部で13種類あり、ゲームを進めるごとに少しずつ増えていくけど、どの「筆しらべ」も活躍する場面が用意されている。「筆しらべ」の操作は「大神」の和のイメージに合致するだけでなく、「大神」のゲーム性に密接に関わっている。

ボリュームは大きい

 本筋以外のサブイベント、やりこみ要素も豊富。サブイベントを全てこなして、ダンジョンの宝物も全てGETして、やりこみ要素をそれなりにこなしていたらエンディングまでに60時間かかってしまった。
 サブイベントをクリアする時も、「筆しらべ」をどう使うか考えていく場面が多い。「大神」では能力値を上げるために必要な幸玉という経験値のようなものを、主にサブイベントをクリアしたり、動物に食べ物をあげたりすることで入手していく。
 クリア後に追加される要素も豊富。

ダイナミックな和の雰囲気が素敵

 グラフィックが水墨画調。ところどころ絵画の雰囲気が出ているところがあるけど、しかし「静」のイメージよりも「動」のイメージが強い。アマテラスが走った後に草木が生える演出があったり、いろいろなものが風に揺れていたり。中でも圧巻はダンジョンやフィールドの大木に花を咲かせると発生する「大神降ろし」。今まで闇の瘴気で暗く淀んでいたフィールドが、一斉に緑豊かで花咲く大地にドドドドドと変わっていくムービーが流れるのには毎回昂揚する。
 ヤマタノオロチとかスサノオとかヒミコとかカグヤとか日本神話や民話、古代史のキャラクターが登場するけど、ストーリー自体にお堅い感覚は全く無い。神話の英雄スサノオは「者ども 大船から 飛び下りた気持ちで待っておれ!」と言う愉快な親父だし、歴史や物語の英雄ウシワカ(義経)は「天呼ぶ 地呼ぶ 海が呼ぶ・・・ 物の怪倒せと我を呼ぶ! 人倫の伝道師ウシワカ イズ ヒア!」と言って登場するし。
 元の物語や神話を模したようなエピソードがあるものの、原作そのままではなく、ちゃんとアレンジされた展開になっている。ラストバトルはある意味お約束みたいな展開だけど、しかし僕的にはこういう展開は大好き。


管理者:中霧里五
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