アージュのゲーム
君の望む永遠
君が望む永遠〜special FanDisk〜
マブラヴ
マブラヴ オルタネイティブ

君の望む永遠

 システム的にはオーソドックスな恋愛アドベンチャー。将来の具体的なビジョンを持てずに漠然と生活している平凡な高校生の鳴海孝之が主人公。「孝之はある日、内気な女の子、涼宮遙から、好きだと告白される。孝之の親友であり遥の親友でもある水月達との他愛のない、しかし大切な関係を壊してしまうことを恐れた孝之は、深く考えずに告白を受け入れてしまうのだが・・・」というストーリー。

 ストーリーが大きく1部、2部と分かれた構成になっていている(というより1部が本編(2部)が始まる前の序章的な役割)。1部と2部では雰囲気が180度違う。登場人物の性格、バックグラウンドも1部と2部で大きく変化している。

 1部のストーリーは軽く、笑える描写も多いけど、2部になるとひたすら重い。死人が出るストーリー展開ではないけれど、痛い。多くの恋愛アドベンチャーと同じように、遙に好意的な選択肢を選びつづければ遙エンディングになる、といったスタイルなんだけど、選ばれなかった方の女の子の主人公に対する想い・・・というものがめちゃくちゃ痛い調子で描かれている。「こんなだから・・・何にも言えないじゃない!傍にいて欲しいって・・・何で言えるのよ!」「それを許すくらいなら・・・どうして私・・・自分で・・・」。

 

人によって好き嫌いが出そうなストーリーではあったけれど、ストーリー展開から感じたインパクトは大きいかった。「先が見たい」という気持ちが眠気を吹き飛ばして睡眠時間を削らせる久々のゲームだった。
個人的には水月と遙のシナリオが好き。どちらのシナリオも、そのシナリオのヒロインではなく、選ばれなかった方のヒロインの「痛い」描写が印象的だった。そしてどちらの結末もその「痛さ」がいい意味で消化された晴れ晴れとしたENDで、ジーンとくる、余韻の残るいい終わり方だった。
キャラクター毎の性格付けがきちんとされていて、キャラがかぶることがなかった。性格、口調だけでなく、主人公に対する態度、思い、といったものが登場人物ごとに違っているのがよく分かる。
ストーリー的にはかなりボリュームがあるけど、主人公以外のキャラは全てフルボイス。ボイスは比較的自然で、特に涼宮茜のボイスは秀逸。
最近のアドベンチャーなら標準装備のメッセージスキップ機能と前の文章を見る履歴機能がついている。特に履歴機能は優秀で、かなり前の文章まで遡って読むことができ、しかもセリフ部分のボイスも再生することもできる。
SAVEできる数が多い。ロード画面ではセーブした箇所の画面が縮小表示される他、その場面のセリフが一部分表示される。
   
× 主人公がかなり情けない。一部の場面を除いて、言動、行動、ともに優柔不断。はっきり言ってヘタレ。僕は主人公にヒーロー的な要素を求めるタチなので、主人公のことをあまり好きになれなかった。
× プレイするたびに、エンディングを見るたびにプレイ時のテンションが下がっていった。決してメインヒロイン以外のシナリオが作り的にぞんざいというわけではなく、どのヒロインも個性的だし、シナリオ展開も「純愛」、「倒錯した愛情」という感じで違いがあった。しかし重いストーリーを何回も続けてやるのは気分的に良くないし、物語の都合上、複数の女の子を振らなくてはいけなくなるわけで、プレイしてて先を見るのに苦痛を感じるようになった。

管理者:中霧里五
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