ゴッド・オブ・ウォーシリーズ

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ゴッド・オブ・ウォー(GOD OF WAR)

内容

 ギリシャ神話の世界を舞台に、ミノタウルス、ゴルゴン、サイクロプスなどの神話世界の怪物達と闘い、数々のトラップをクリアし、ダンジョンを制覇していく。

感想

 「ゴッドオブウォー」は元はアメリカ産のゲームで、北米ではメタルギア級の存在で、PS2を代表するソフトらしい。しかし日本では知名度は低く、雑誌での扱いもほとんど無かった。ネットの一部で話題になっているようだけど(僕はそれをたまたま見て買ったわけだけど)。
 キャラクターが洋ゲー色が強く、残虐描写も多く、日本では馴染み難いかもしれない。主人公のクレイトスからして、個性的ではあるものの癖が強すぎるかもしれない。元々はSCEアメリカが開発したゲームなのに、日本版を発売したのは当のSCEではなく、カプコンが移植している。まるでカプコンが汚れ仕事を引き受けたかのようだ。
 
 世間の知名度がどうあれ、僕は面白かった。海外で人気が高いことも納得できた。10時間程度でクリアできたけど元はとれた。
 ギリシャ神話が舞台であるものの、しかしゲームを遊んでて思い浮かんだのは「レイダース」「ハムナプトラ」のような古代遺跡を舞台にした冒険映画。残虐だけどスリリングなトラップ、壮大な演出で彩られる謎解きや仕掛け、スケールの大きさを感じさせるダンジョン。「ゴッドオブウォー」の雰囲気は不気味であるけれど、しかし「怖い」よりも「ワクワク」の方が先に立った。
 戦闘も飽きなかった。敵によって攻撃手段や動きが異なり、登場した地形によっても感覚が異なる。敵の倒し方にも幅がある。武器の操作自体が複数のボタン組み合わせていろいろな攻撃が可能だし、魔法で攻撃することもできる。ある程度ダメージを与えてから○ボタンを押すとCSアタックというものになり、画面に表示されたボタンをタイミングよく押していくと、成功するごとにアクションが決まって致命傷を与えることができる。序盤に登場したザコが中盤、終盤も登場するけど、単調な感じはしなかった。
 ボスも巨大で迫力があり、ボスの画面いっぱいの攻撃は衝撃がくる。画面に表示されたボタンをタイミングよく押していくCSアタックも、ボス戦では要所要所で発生し、巨大なボスに大ダメージを与えるアクションが迫力のある映像で流れる。ボス戦自体がほとんど無いのが残念。
 
 難易度も高くなく、スムーズに攻略できる。

 クリア後に追加されるおまけも用意されている。

最狂主人公・クレイトス

 「ゴッドオブウォー」に出てくるモンスター達は恐ろしい。登場するモンスターは「ゴルゴン」「ケンタウルス」「ミノタウルス」などファンタジー系ゲームにもよく出てくる奴らだけど、外皮も目も口(牙)もアップで見たら目を背けるクオリティ。ゲーム中ではこの不気味なクリーチャー達が人間を喰らったり、死体をついばんだり、容赦無いムービーが流れる。
 しかしながら、主人公のクレイトスは更にその斜め上をマッハで行く。外形からして筋肉マッチョでスキンヘッドでヒゲ。腰と膝下、肘上には布やら包帯やら鎖が巻かれてるけど、そこ以外は剥き出し。剥き出しの部分は傷跡と刺青(赤色)が占める。アーノルド・シュワルツネッガー主演の映画の吹き替え、ドカベンの岩鬼、ガンダムのドズルなどの声優を務めた玄田哲章氏がクレイトスのボイスをあてているのも異議無し。
 外形もアレだが、アクションは更にアレ。モンスターを倒すにしても、武器で倒すなんてのはお上品な方で、首締めでゴキ、容赦なく串刺し、壁に打ち付け、殺害手段は無慈悲でダイナミック。人間に対する態度もアレで、他人に対する姿勢で一番マシな態度が無関心。積極的に他人を助けること無く、人の死に際でも言葉は一切無し。障害になるのであれは容赦無く取り除く。跳ね橋が上がっていている、向こう岸で橋を下げるレバーを兵士が抑えている、橋をかけろと言っても兵士はモンスターが怖くてレバーを抑えたまま、そういう状況でクレイトスが取った行動は、付近のモンスターを倒して安心させてやることでもなく、回り道をすることでもなく、川を飛ぶ手段を見つけることでもなく、遠距離攻撃できる手段を手に入れて兵士を殺害。もうここまでいくといっそギャグとさえ思える。
 2006年5月31日からのゲームソフトの新レーティング制度が開始されたけど、制度自体の有用性以前に、実際にゲームをやって評価をしてレーティングを決めているとは思えない。「18歳以上のみ対象」(18歳未満禁止)のレーティングZ区分が新設されたけど、そのZ区分のゲームに「ゴッド・オブ・ウォー」が入っていないのはどー考えてもおかしい(笑)。


管理者:中霧里五
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