「イヴ・バーストエラー」「デザイア」ともに主人公が異なるシナリオを進めていくアドベンチャー。どちらも同じ会社から出ており、シナリオはどちらも剣乃ゆきひろ(菅野ひろゆき)氏。尚、「イブ・バーストエラー」はこの後も続編が発売されている(剣乃ゆきひろ氏は関わっていないが)。
「イヴ・バーストエラー」「デザイア」はパソコン、セガサターンで発売されていますが、僕が実際にプレイしたのはサターン版の方です。
主人公が異なる2つのシナリオを切り替えながらストーリーを進めていくアドベンチャー(マルチサイトシステムと言うらしい)で、2つのシナリオは時間軸、舞台が共通で、同じ事件を異なる視点から見ることになったり、片方のシナリオをプレイした段階では「このキャラはこの時何をしてたんだろう」「このキャラはこの時どうしてこんなセリフを言ってたんだろう」ということが、もう片方のシナリオをプレイして分かっていく展開になっている。
○ | 「先を見たい」と思わせるシナリオだった。1日、2日で解決した事件が、次の日にとんでもないことになっていたり、脇役キャラが意外な行動をとったり。 |
○ | 主人公が異なるシナリオ、同じ舞台同じ時間軸を異なる視点でプレイするゲームというのは「イヴ・バーストエラー」の他にもあるけど(「街」「デザイア」「スーパーロボット大戦EX」「シャイニングフォース3」等)、しかし2人の主人公がリンクする場面が盛り上がる、という点で「バーストエラー」に匹敵するのは少ないと思う。中盤あたりまでは「ただ偶然出会っている」というだけだったのが終盤あたりになって「重要なイベントで邂逅を果たす」という感じになり、シナリオもストーリーが進むごとに盛り上がっていった。 |
○ | 2つの主人公のシナリオ展開が「緻密な2つの線」というか、時間軸的に上手く計算された展開で並行的に進む為、マルチサイトシステムを効果的に使った演出、シナリオ展開が目立った。 |
○ | 主人公の小次郎、まりな、どちらとも年齢的にもアダルトで(27〜28歳)、どちらともプロフェッショナルな雰囲気を持っているので、ストーリーの緊迫感が増している。 |
○ | このゲームでは名前のあるほとんどのキャラにボイスがあるけど、しかし主人公にはボイスがない。ただし、小次郎編をプレイしている時の「まりな」、まりな編をプレイしている時の「小次郎」にはボイスがちゃんとある。その為、同じ場面なのに関わらず、以前も見たことのあるセリフなのに関わらず、主人公2人がリンクしている場面は「小次郎編」でも「まりな編」のどちらでも盛り上がる。 |
× | フラグ立てに四苦八苦する場面が多かった。 |
「イヴ」シリーズと同じく、主人公がちがうシナリオ(舞台と時は同じ)をクリアしていくのだけど、「イヴ」シリーズのように必要に応じて2つのシナリオを切替ながらシナリオを進めていくのではなく、まず「アルバート」のシナリオをクリアし、その次に「マコト」のシナリオをクリアし、最後に「??」のシナリオをクリアする。「アルバート」編で謎や伏線が散りばめられ、「マコト」編とそれに続く「??」編で謎が明らかになるという感じになっている。
後に出た「イヴ・バーストエラー」の方が、「2人の主人公を交互に動かしていき、ストーリーが多重的に展開する」ということが上手く出来ていたと思う。「デザイア」ではいまいち「主人公が違う2つのシナリオがある」システムを活かしきれていない気がした。「イブ・バーストエラー」では2人の主人公がどちらとも立っていたような気がしたけど、「デザイア」はストーリー的に「アルバート」編と「??」編のストーリーが本筋で、「マコト」編の存在が他の2つと比べるとストーリー上で果たす役割が薄い気がした。
まぁ「マコト」編はともかく、全ての謎を明らかにする「??」編をクリアした時はそれなりに心にくるものがあった。「もしかして、こんな結末になるのかな〜」って思ってたらその通りの結末になったけど、それでも心にきました。ゲームをクリアしてから分かったことだけど、このゲームのオープニングは「デザイア」のストーリーが表されていたんですね。